マーケティングジャーナル
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特集論文 / 招待査読論文
動線調査研究の新しい視点
清水 聰
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2020 年 40 巻 2 号 p. 7-17

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抄録

動線調査研究は,RFIDなどの位置情報技術により,新たな研究段階に入ってきている。本稿では,新しい位置情報システムであるQuuppaを用い,ある店舗での消費者の動線を70日間集めた。そしてその動線データと当該店舗のFSPデータと結び付け,消費者の当該店舗との関係性が動線長に与える影響と,動線長そのものを説明する要因を探った。その結果,店舗のロイヤルユーザーは,それ以外の来店者と比べて,1回の買物の動線長が短く,購買金額も高くないことが示された。また動線長を説明する要因には,週末や年末年始,各売場や通路の滞在時間,そしてロイヤルユーザーフラグが影響することが示された。動線調査を行う際に,消費者の視点を入れることの重要性が明らかになった。

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© 2020 The Author(s).
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