2023 年 42 巻 3 号 p. 51-62
コード型モバイル決済サービス(以下,決済サービス)の普及とともに,各社によるポイント還元型のプロモーションが頻繁に行われている。そのため,ポイント獲得を目的とした短期的利用者が増えており,決済サービスの利用定着率の低さが課題となっている。本研究は決済サービス利用時におけるタッチ・インターフェースへの接触に注目し,コントロール感および心理的所有感の向上によって決済サービスの再利用意向を高められるかを検証する。2つの調査を実施した結果,画面への接触回数が増加する金額入力型の決済方法は(vs. 金額非入力型),決済サービスに対するコントロール感を高め,コントロール感の知覚は心理的所有感を高めることが示された。また,画面接触によって知覚された心理的所有感の向上は,決済サービスへの再利用意向を高めることが確認された。