2023 年 43 巻 1 号 p. 29-41
本研究は,ファン(コンテンツの自己関連性が低い消費者),マニア(コンテンツの自己関連性が高く,社交性も高い消費者),オタク(コンテンツの自己関連性が高いが,社交性は低い消費者)の3種のコンテンツ消費者を検討する。4つの実験の結果,ファンは,個人的所有感も集団的所有感も低く,レンタル=サブスク型リキッド消費を選択し,マニアは,個人的所有感も集団的所有感も高く,経験価値型リキッド消費とソリッド消費を選択し,オタクは,個人的所有感は高いが集団的所有感は低く,ソリッド消費を選択するという知見を提供する。そうすることによって,本研究は,コンテンツビジネス研究,リキッド消費研究,経験消費研究,心理的所有感研究の発展に貢献する。