マーケティングジャーナル
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Print ISSN : 0389-7265
レビュー論文 / 招待査読論文
消費者反応に対する非言語的手掛かりとしての広告音楽の効果
小野 雅琴
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2024 年 43 巻 3 号 p. 68-75

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抄録

広告音楽は,広告の非言語的手掛かりとして,消費者の反応に影響を与える重要な広告構成要素である。広告研究の分野では,1980年代から,広告音楽に関する研究が盛んに行われてきた。本論は,これらの膨大で多様な広告音楽研究を整序するに際して,依拠している理論基盤に着目し,広告音楽研究を,3つのカテゴリー,すなわち,(1)古典的条件付け理論を援用した研究,(2)精緻化見込みモデルを援用した研究,および,(3)処理流暢性を援用した研究に分けてレビューする。そして,レビューの結果として浮上する今後の研究の方向性として,(A)インターネット広告の音楽の効果に関する研究や,(B)消費者個人の要因やマーケティング情報の要因など,様々な要因の適合による処理流暢性の向上,すなわち,無意識的な情報処理に焦点を合わせた研究が,求められるということを指摘する。

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© 2024 The Author(s).

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