マーケティングジャーナル
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特集論文 / 招待査読論文
生成AIの創造性寄与に関する一考察
― チューハイのパッケージデザインを例に ―
小川 亮小口 裕千田 彩花
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2024 年 43 巻 3 号 p. 55-67

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抄録

本稿では,生成AIが人の創造性にどのように貢献するかについて研究を行った。マーケティング,心理学,認知科学における創造性研究レビューを行い,創造プロセスを考察した上で,生成AIの仕組みとの類似性から仮説を構築した。生成AIの活用が創造性のプロセスに寄与する,生成AIが作成した情報を段階的に提示することが創造性に寄与する,専門知識が高い創造主体の方が生成AIを活用して創造性を発揮しやすいという3つの仮説を立て実験を行った。実験ではAIを活用して制作したデザインとAIを活用せずに制作したデザインをそれぞれ6案用意し,3名のパッケージデザイナーのエキスパートインタビュー,85名のパッケージデザイナーへの定量調査,200名のユーザー調査を行った。検証の結果,ユーザー調査からは生成AIによる創造性寄与が見られた。一方,85名のパッケージデザイナーへの調査からは段階的な情報提示による創造性への寄与は見られなかった。また同調査から,生成AIが経験年数の短いデザイナーの創造性を向上させること,また経験年数の長いデザイナーに対しては目的から距離のあるAI生成画像であっても創造性に寄与する点が確認できた。

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© 2024 The Author(s).

本稿はCC BY-NC-ND 4.0 の条件下で利用可能。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
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