松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
当科における口腔カンジダ症の臨床的検討
吉田 剛石倉 信造金森 一渓松村 正啓扶風 大作
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2010 年 14 巻 1 号 p. 49-54

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抄録

今回、われわれは2006 年1 月から2008 年3 月まで、当科で加療をおこなった口腔カンジダ症80 症例の性別・年齢・主訴・部位・基礎疾患・抗真菌薬の選択について、臨床的検討をおこなったので、その概要を報告する。性別は80 症例のうち、男性13 人、女性67 人と女性が全症例の84%を占めていた。年齢は男性では平均年齢は66.7 歳、女性では平均年齢は68.2 歳で、男女とも50~70 歳台が多くを占めていた。主訴としては、「疼痛」が51 人・64%と最も多く、ついで「違和感」22 人・28%と多かった。基礎疾患については、糖尿病と精神科疾患が15%と最も多かった。抗真菌薬を投与し、80 症例中、54 症例に奏効が認められた。非奏効例では、本症に加えて口腔心身症・舌痛症・口腔乾燥症が合併しており、ほとんどの症例で漢方薬や抗精神病薬または抗不安薬が投与され、16 症例中9 症例に改善傾向または症状の安定が認められた。

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