抄録
小児科の入院患者は乳幼児が大半を占めており、入院治療を受ける児の精神的安定を図るという理由から家族に付き添いを依頼している。しかし近年、核家族化・就労する母の増加・母子家庭・父子家庭の増加など社会背景の変化に伴い、付き添いを困難とするケースが多くなり、家族だけでは対応できなくなっているのではないかと推察した。そこで、6 歳以下の小児科入院の付き添い者を対象に、付き添いを困難にする要因、どのように調整を図り付き添いを行っているのか質問紙調査を実施した。その結果、家族背景において同胞がいる場合は付き添いに伴う困難感が強いことが明らかになった。その他の背景には有意差は認められなかったものの、付き添いに関わる全般に困難を感じていることが示唆された。特に食事の調達・短時間の付き添い交代についてのサポートの要望があったことから、看護師での対応だけでなく、院内食堂や院内ボランティアとの連携を図って付き添いをしやすくする環境を整える必要がある。