松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
16 巻, 1 号
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  • 岡本 学, 神田 貴行, 辻 靖博, 田中 雄二
    2012 年16 巻1 号 p. 1-4
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/19
    ジャーナル オープンアクセス
    2010-2011 年の冬季に当院小児科で入院治療を行ったRespiratory syncytial virus(以下RS ウイルス)感染症例の臨床的検討を行った。対象は男児32 例、女児38 例の計70 例、年齢は日齢12 から3 歳6 カ月であった。12 カ月以上が29 例(41.4%)となっていた。RS ウイルス迅速検査陽性例は検討期間中の入院症例の24.5%、肺炎、気管支炎の診断での入院症例の53.8%と高い比率を占めていた。0~3 カ月、4~11 カ月、12 カ月以上の3 群で比較検討した結果、紹介率は各群とも4 割前後と大きな差はみられなかったが、低年齢でRS ウイルス迅速検査が行われている比率が高い傾向がみられた。RS ウイルス感染に典型的な喘鳴は0~3 カ月と12 カ月以上で少ない傾向がみられた。0~3 カ月では比較的症状が軽い段階で入院となっており、12 カ月以上では検査の異常や、高熱が持続するなどの理由で入院となる症例が多い傾向がみられた。RS ウイルス感染は小児科において非常に重要なものであり、予防、治療法が確立されることが期待される。
  • 堀 郁子, 飴谷 資樹, 森山 正浩, 謝花 正信, 生田 浩司, 南京 貴浩, 岩田 綾子, 小林 直紘, 岩坂 徹, 石原 修二
    2012 年16 巻1 号 p. 5-10
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/19
    ジャーナル オープンアクセス
    高齢化社会の重要課題の一つである認知症の早期診断の1 手法とし、MRI を利用したVSRAD(Voxel-based Specific Regional analysis system for Alzheimer’s Disease)は、当院でも日常的に利用されている。これはアルツハイマー病に関連する領域である側頭葉内側の扁桃体から海馬にかけての委縮の程度の測定する手法である。今回当院でVSRAD と改訂長谷川式簡易知能検査(以下、長谷川式)が実施された50 歳以上の405 人に対し、長谷川式の成績とVSRAD の成績に年齢が関連しているか検討した。VSRAD の結果を長谷川式の成績25 点/ 24 点で2 群に分けて検討した場合、各数値の年代別平均値の推移は正常群で明確であった。特に80 歳前後で有意差が見られることが多かった。非正常群では、年齢による有意差はZ スコアの70 歳未満と70 歳以上の間のみであった。出血と癒合病変の出現頻度は、正常群と非正常群で有意差を認めた。
  • 佐々木 基史, 多田 裕子, 大國 智司
    2012 年16 巻1 号 p. 11-14
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/19
    ジャーナル オープンアクセス
    糖尿病治療による低血糖は、近年心血管イベントの誘因として知られている。また、高齢患者の多い当院の医療圏においては、繰り返す低血糖による認知機能低下や、遷延性低血糖に対する入院治療をきっかけとしたADL の低下も問題となる。2006 年度から2010 年度の間に当院救急外来を受診し、低血糖による入院治療を要した症例について検討を行った。5 年間に低血糖による入院治療を要した糖尿病症例は35 例であった。平均年齢:77.9±11.8 歳、糖尿病罹病期間:15.2±10.0 年、HbA1c(国際標準値):6.9±1.7%、来院時血糖値:37.6±17.1 mg/dl、全例でスルホニルウレア薬(SU 薬)あるいはインスリンによる治療が行われていた。基礎疾患として慢性腎臓病(推算糸球体濾過量(eGFR)<30 ml/min)が5 例、うつ病3 例、認知症3 例、肝硬変1 例を認めた。平均入院期間:10.6±16.1 日で全例軽快したが、入院をきっかけに施設入所が必要となった例が2 例あった。低血糖の誘因としては、発熱、嘔吐などの原因による食事量の摂取の低下(シックデイ)が最も多かったが、80 歳以上の超高齢者では、特に理由のない食事量の低下がきっかけとなった例を多く認めた。低血糖による入院治療を要する症例の多くは高齢者であり、家族を含めたシックデイに対する対応の指導、低血糖のリスクの少ない治療法の選択を考慮する必要がある。
  • 小田川 里美, 和田 清, 曽根 啓司, 南京 貴広, 岩田 綾子, 石原 修二, 堀 郁子
    2012 年16 巻1 号 p. 15-20
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    日本人女性における乳がん罹患率、死亡率は近年増加傾向である。当院の2006 年度から2010 年度までの乳がん検診について、受診者7304 人のデータを集計・比較し、現状と課題についてまとめた。その結果、受診者数は年々増加し、要精検率は減少傾向ではあったが、当院の要精検率は許容値と比べると高いのが現状であった。また、当院のがん発見率は高かったが、年齢階級別で見ると50 代以上に比べて40 代以下ではがん発見率が非常に低いという結果であった。当院の課題として、要精検率のさらなる低下が求められ、特に40 代・50 代の局所的非対称性陰影(FAD*)による偽陽性者を減少させる事が重要と思われた。*FAD とは真の腫瘤としての濃度や境界を持たない左右非対称性の陰影の事である。孤立した正常乳腺の場合もあるが、がんである場合もある。
  • 生田 浩司, 南京 貴広, 田代 真人, 石原 修二
    2012 年16 巻1 号 p. 21-24
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    近年、X 線CT 装置に画質の確保とX 線被ばく抑制を目的として自動露出機構が搭載されている。自動露出機構はCT 撮影時の位置決め画像の投影データを基に被写体厚を求め使用する管電流を変化させて被ばくと画質の最適化を行う。しかし、CT 装置の機種により搭載される自動露出機構に違いがあり、当院の2 台のCT 装置も搭載される自動露出機構の種類が違う。今回、我々は腹部用水ファントムを使用して、当院の2 台のCT 装置に搭載されている、自動露出機構を用いて撮影した画像の均一性について検討を行った。検討項目は、被写体厚を位置決め画像の正面像からのみ求めた場合と側面像も使用して2 方向から求めた場合の違い、撮影視野(field of view:以後FOV)の大きさの違いについてとした。その結果、64 列CT 装置に搭載されている自動露出機構が16 列CT に搭載されている自動露出機構よりも均一性がよく、正・側の2 方向の位置決め画像を利用して被写体厚を求める方式が最も良好な結果となった。また、撮影FOV の大きさを変化させた場合は、FOV が大きくなると画像の均一性は低下した。自動露出機構はX 線出力を自動調製するため画像の質にも直接的に影響する。CT 検査による被ばくと画質の最適化を考えるには、使用する自動露出機構の機能把握が必要と考えられた。
  • 池田 友子, 岩倉 良子, 足立 広美
    2012 年16 巻1 号 p. 25-30
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、緩和ケア病棟の看護師が、現在行っているデスカンファレンス(Death Conference.以下DC とする)について、どのように認識しているのか明らかにすることを目的に実施した。平成21 年9 月に緩和ケア病棟看護師20 名を対象に、DC の認識についてフォーカスグループインタビューを実施した。DC に対する看護師の認識として【目的を共有しにくい】【相互理解への期待】【変化が必要】の3 つのカテゴリーと、≪ケアへの活用度が低い≫≪制約が多く自由度が低い≫≪認められる場であってほしい≫≪感情を共有する場であってほしい≫≪運営に工夫が必要≫の5 つのサブカテゴリーが抽出された。看護師は現在のDC に対し様々な不全感や負担感を抱いている一方で、DC の必要性は実感しており、継続する上で個々の負担感の少ない発展性のあるDC の運営について模索していると考えられた。DC の目的・意義について看護師各々が再確認すると共に、DC の目的を共有しておくことが必要であることが明らかとなった。
  • 奥名 晴美, 遠藤 抄代, 田邊 令子, 松尾 妙子
    2012 年16 巻1 号 p. 31-34
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    小児科の入院患者は乳幼児が大半を占めており、入院治療を受ける児の精神的安定を図るという理由から家族に付き添いを依頼している。しかし近年、核家族化・就労する母の増加・母子家庭・父子家庭の増加など社会背景の変化に伴い、付き添いを困難とするケースが多くなり、家族だけでは対応できなくなっているのではないかと推察した。そこで、6 歳以下の小児科入院の付き添い者を対象に、付き添いを困難にする要因、どのように調整を図り付き添いを行っているのか質問紙調査を実施した。その結果、家族背景において同胞がいる場合は付き添いに伴う困難感が強いことが明らかになった。その他の背景には有意差は認められなかったものの、付き添いに関わる全般に困難を感じていることが示唆された。特に食事の調達・短時間の付き添い交代についてのサポートの要望があったことから、看護師での対応だけでなく、院内食堂や院内ボランティアとの連携を図って付き添いをしやすくする環境を整える必要がある。
  • 西村 ゆう子, 杉原 誉明, 河野 通盛, 吉田 学
    2012 年16 巻1 号 p. 35-42
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    胆嚢癌は進行した状態で発見され、外科的切除に至らない症例が未だに多い疾患である。早期の段階において症状や血液検査では特異的な異常所見を認めず、現状で有用とされるのは画像診断のみである。今回、当院で経験した切除胆嚢癌11 例(13 病変)について背景因子、画像診断、病理組織学的検討、術後の予後について検討を行った。平均年齢は67.7±12.7 歳(42~88 歳)で、男女比は2:9 で女性に多く認められた。発見契機は検診2 例、有症状5 例、他疾患加療中(胆石・胆嚢炎)の発見が4 例であった。組織学的深達度はm:23.1%(3/13 病変)、mp:7.7% (1/13 病変)、ss:61.5%(8/13 病変)、se:7.7%(1/13 病変)であった。11 症例の術後生存期間中央値は1265 日(518~2173 日)であった。深達度評価は体外式腹部超音波(US)、CT、MRI で行ったが、術前と術後の一致率は70%(7/10 病変、 m:1/1 病変、mp:1/1 病変、ss:3/6 病変、se:1/1 病変)であった。造影US やMRI による拡散強調像なども胆嚢癌の存在診断に有用であった。US、CT、MRI などを駆使して、長期予後が期待できるような早期胆嚢癌、pT2(ss)症例を可能な限り早期発見し治療に結びつける事が重要である。
  • ― 腹腔鏡下胆嚢摘出術と比較して―
    佐野 弾, 岡 伸一, 大谷 裕, 倉吉 和夫, 梶谷 真司, 河野 菊弘, 吉岡 宏, 金山 博友
    2012 年16 巻1 号 p. 43-48
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    1990 年に腹腔鏡下胆嚢摘出術(laparoscopic cholecystectomy : LC)が報告されて以来、4 つのポートを使用した手技は広く普及し、胆嚢摘出術における標準術式として定着している。一方2008 年に単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(single incision laparoscopic cholecystectomy : SILC)が報告されて以来、本邦でも徐々に普及しつつある。今後SILC を標準術式とするには、従来のLC に匹敵する安全性・利点が証明されなければならない。我々は当院で施行したSILC と従来法で行ったLC について臨床所見および検査所見を比較し、SILC の安全性・利点などにつき検討した。2009 年10 月から2011 年10 月までの2 年1 か月で当院ではSILC 60 例を施行した。そのうち、技術が比較的安定した最近の25 例と、同時期に行われた通常のLC 25 例を対象とした。患者背景として年齢、性別、body mass index(BMI)、術前血液検査値について、手術所見として手術時間、出血量について、術後成績として術後在院日数、術後疼痛、合併症の有無について比較検討した。術後疼痛の評価は鎮痛剤の使用回数を基準とした。手術時間はSILC 群の方が短く、出血量もSILC 群で少なかった。術後在院日数、術後疼痛、合併症の有無は大差なかった。SILC はLC と比較し、術後在院日数や術後疼痛、合併症の観点からは大差がなかったが、手術時間・出血量において優れた成績を残した結果であった。SILC はLC と比較して遜色ない安全性をもたらしていると考えられ、当院ではSILC を推奨していく方針である。
  • 濱田 治, 神田 貴行, 岡本 学, 辻 靖博, 田中 雄二
    2012 年16 巻1 号 p. 49-52
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は5 歳女児。発熱2 日目でWBC 20800/μl、CRP 28.5 mg/dl と高度の炎症反応を認め、入院にて抗菌薬経静脈投与を開始した。尿所見に異常なく、各種培養はいずれも陰性であり、感染源がはっきりしないまま軽快し退院した。退院後、再び発熱が出現し、2 日目でWBC 19400/μl、CRP 12.2 mg/dl と上昇を認め、入院にて抗菌薬経静脈投与を開始した。今回も尿所見は乏しく、各種培養は陰性であったが、腹部造影CT を施行し、急性巣状細菌性腎炎と診断した。抗菌薬は2 週間経静脈投与し、さらに2 週間内服投与し中止した。その後再発無く経過したが、発症6 ヶ月後の99mTc-DMSA シンチグラフィで右腎に軽度の萎縮と瘢痕化を認めた。
  • 生間 善晃
    2012 年16 巻1 号 p. 53-60
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    近年、スポーツ活動による疲労骨折は、代表的なスポーツ傷害の1 つとして注目されている。今回、比較的稀な足舟状骨疲労骨折の術後の症例に対し、疲労骨折に至った原因を追及して理学療法をおこなった結果、競技復帰に至ったので報告する。症例はサッカー部所属の16 歳男性。右足舟状骨疲労骨折・偽関節への骨接合術施行後、骨癒合の経過は良好で術後8 週よりインソール装着下でジョギングやパスの再開が許可されたが、運動再開に伴い足部の違和感が出現、スポーツ復帰を困難にした。そこで、疲労骨折の原因と考えられた足部支持機構のひとつである筋群の機能改善を図ったところ、術後4 ヶ月で運動時の違和感や疼痛が消失、競技復帰に至った。足舟状骨疲労骨折後の理学療法では、疲労骨折に至った原因の追及とその改善が有効であり、このことは再発防止の観点からも重要と考えられた。疲労骨折後も疼痛が比較的軽度でスポーツの継続が長期間可能であるため、その間に生じる二次的障害を念頭においた評価、治療の必要性も示唆された。
  • 三浦 将彦, 山田 稔, 杉原 誉明, 谷村 隆志, 村脇 義之, 田中 新亮, 河野 通盛, 吉村 禎二
    2012 年16 巻1 号 p. 61-66
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は56 歳、男性。多発する皮下腫瘤と左上腹部痛を主訴に受診した。CT にて膵体尾部に不整な腫瘤を認め、皮下脂肪組織内に多数の結節が散在していた。皮下結節は病理組織検査の結果、低分化型腺癌であり、膵癌の皮膚転移と診断した。Gemcitabine による化学療法を開始したところ、皮下腫瘤は数・大きさとも著明に縮小した。外来にて化学療法を継続したが、再び腫瘍は増大し、治療開始から約7 ヶ月後に死亡した。皮膚転移を来たした膵癌の報告は非常に少ないうえ、また化学療法の経過中に皮膚転移巣の縮小が確認し得た大変興味深い一例であり、若干の文献的考察を加え報告する。
  • 阿武 雄一, 瀧川 晴夫, 榎本 卓朗
    2012 年16 巻1 号 p. 67-72
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    近年、定位的放射線外科療法の登場により、聴神経腫瘍の治療方針が変わってきている。しかし、大型の特に3 cm を越える聴神経腫瘍では、今もって外科的治療を要することが多い。その際に全摘と聴力温存の両立は困難である。聴神経腫瘍では、亜全摘すれば再発は少ないことや、再発に対しては定位的放射線外科療法による治療が可能であることから、全摘にこだわる必要性は低下している。今回、われわれは、聴力を温存するため、意図的に亜全摘にとどめた2 例につき報告し、若干の考察を加える。
  • 野津 長, 芦田 泰之, 松井 泰樹
    2012 年16 巻1 号 p. 73-76
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は64 歳女性。近くの病院で単純肺CT を受けた際、甲状腺腫を指摘され当科紹介となった。受診時、軽度の嚥下時の違和感を訴えた。触診で甲状腺左葉部に比較的軟らかい5 cm 大の結節を触知した。超音波検査では甲状腺左葉下極に縦隔に伸びる長径4.1 cm 程度の等エコー腫瘤を確認した。縦隔内の状況が不明なため造影CT を施行したところ、縦隔内に分葉状の独立腫瘍を認めた。自覚症状を有するため、手術を施行した。手術は前頚部小切開で行った。甲状腺左葉の腫瘍を部分切除後、術前の予想通りに左上縦隔内に独立した腫瘍を確認し、摘出した。浸潤や癒着さらに独自の栄養血管はなかった。左葉腫瘍は5.5×3.0 cm、26.9 g、縦隔腫瘍3.9×2.8 cm、10.9 g であった。縦隔内甲状腺腫が疑われる症例では造影CT は有用であると結論する。
  • 岡 伸一, 大谷 裕, 倉吉 和夫, 梶谷 真司, 河野 菊弘, 吉岡 宏, 金山 博友
    2012 年16 巻1 号 p. 77-82
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    虫垂子宮内膜症は稀な疾患であり、重積を伴うものはきわめてまれで、医学中央雑誌で検索しえた限り10 例目である。今回、完全虫垂重積をきたした虫垂子宮内膜症に対し、腹腔鏡下に切除した症例を経験したので報告する。症例は46 歳女性で下血を主訴に来院した。大腸内視鏡検査で盲腸内に腫瘤を認め、注腸造影検査、腹部CT 検査で嚢胞を伴う虫垂の重積を認めた。以上より、虫垂粘液嚢腫による虫垂重積症と診断し、D3 郭清を伴う腹腔鏡下回盲部切除術を施行した。病理組織学的所見より虫垂子宮内膜症による完全型虫垂重積症と診断した。虫垂子宮内膜症は術前診断が難しく、腹腔鏡下手術は根治性と低侵襲性の両面で有用であると思われた。
  • 伊藤 博崇, 田中 新亮, 山田 稔, 吉村 禎二, 河野 通盛, 三浦 将彦, 村脇 義之, 谷村 隆志, 杉原 誉明, 小西 龍也
    2012 年16 巻1 号 p. 83-88
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は66 歳の女性で、黄疸、肝機能障害、高血糖を近医で指摘され入院した。膵癌が疑われたが、精査の結果自己免疫性膵炎と診断し、プレドニゾロン35 mg を投与開始した。膵・胆管病変の明らかな改善を認めたが、ステロイド漸減中に呼吸困難・低酸素血症をきたし、間質性肺炎が疑われ再入院した。ステロイドパルス療法に反応せず、人工呼吸器管理としたが、間質性陰影増悪、両側気胸を合併し、第110 病日後に呼吸不全増悪により死亡した。病理学的検討はなされておらず不明な点が多いが、IgG4 関連間質性肺炎を強く疑った。
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