松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
尿所見に乏しく診断に時間を要した急性巣状細菌性腎炎の1 女児例
濱田 治神田 貴行岡本 学辻 靖博田中 雄二
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2012 年 16 巻 1 号 p. 49-52

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抄録
症例は5 歳女児。発熱2 日目でWBC 20800/μl、CRP 28.5 mg/dl と高度の炎症反応を認め、入院にて抗菌薬経静脈投与を開始した。尿所見に異常なく、各種培養はいずれも陰性であり、感染源がはっきりしないまま軽快し退院した。退院後、再び発熱が出現し、2 日目でWBC 19400/μl、CRP 12.2 mg/dl と上昇を認め、入院にて抗菌薬経静脈投与を開始した。今回も尿所見は乏しく、各種培養は陰性であったが、腹部造影CT を施行し、急性巣状細菌性腎炎と診断した。抗菌薬は2 週間経静脈投与し、さらに2 週間内服投与し中止した。その後再発無く経過したが、発症6 ヶ月後の99mTc-DMSA シンチグラフィで右腎に軽度の萎縮と瘢痕化を認めた。
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© 2012 松江市立病院
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