松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
腹腔動脈狭窄が関与したと考えられる膵十二指腸動脈瘤破裂の一例
石飛 ひとみ三浦 将彦杉原 誉明谷村 隆志村脇 義之田中 新亮河野 通盛吉村 禎二山田 稔
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2013 年 17 巻 1 号 p. 39-42

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抄録
症例は50 歳代の女性.突然の上腹部の激痛を主訴に当院を受診した.腹部CT にて十二指腸下行脚から水平脚を取り囲むように広がる異常影を認め,血液のCT 値と一致することから後腹膜血腫と診断した.緊急腹部血管造影検査を施行したところ,後上膵十二指腸動脈に4 mm 径の動脈瘤を認め,同部を出血源と判断し,経カテーテル的にマイクロコイルを留置した.止血に成功したが,間もなくして,食後の悪心,嘔吐が出現するようになり,十二指腸下行脚の狭窄が明らかとなった.血腫による圧迫が原因と考え,絶食,補液,胃液吸引による保存的治療を行った.その後,血腫が吸収されるとともに,狭窄症状は消失した.また,本症例は,腹腔動脈起始部に狭窄を認めており,これによる上腸間膜動脈領域の相対的な血流増加が,膵十二指腸動脈瘤の形成・破裂に影響した可能性が示唆された.膵十二指腸動脈瘤破裂の報告例は少なく,さらに保存的治療が奏功した貴重な症例と思われるため,文献的考察を含め報告する.
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© 2013 松江市立病院
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