抄録
21歳女.吐気,嘔吐,飲水時の動悸を主訴とした.本症例は1ヵ月前から口渇,多飲,多尿があり,1ヵ月で8kgの体重減少があった.検査所見では比較的長時間の高血糖状態が示唆され,内因性インスリン分泌能は比較的保たれていた.Anti-glutamic acid decarboxylase antibodyは1480.0U/mlであった.甲状腺機能は亢進状態であった.1型糖尿病(Latent autoimmune diabetes in adult)とバセドウ病の合併と診断し,糖尿病性ケトアシドーシス・バセドウ病治療により甲状腺ホルモンは低下傾向を認め,それに伴い血糖値も急速に低下した.バセドウ病の合併により耐糖能が急激に悪化し,糖尿病性ケトアシドーシスを発症したと考えられた.短期間で体重減少が認められた糖尿病では,甲状腺機能を検査すべきであると思われた.