抄録
埋立廃棄物の封じ込めに関する制度上の変遷についてまとめた。現行基準における封じ込めの多重バリアとして,溶出抑制,遮水工,中間覆土,最終覆土,水処理施設,地下水モニタリングをあげ,それぞれの封じ込めに求められている機能と留意点について詳述した。また,封じ込めの目的が地下水保全であることを再認識し,維持管理期間を超え,廃止以降の長期にわたる埋立地からの漏洩評価に対するフラックス制御の考え方を示した。さらに,放射性セシウムに汚染された廃棄物の埋立処分の考え方を示すことで,浸出液と溶質のフラックス制御の違いについて補足した。