廃棄物資源循環学会誌
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27 巻, 1 号
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年頭所感
特集:埋立地の安全を考える―埋立地の安全性の検証方法に関わる昨今の動向と概念の整理―
  • 原 雄
    2016 年27 巻1 号 p. 3-9
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2020/11/07
    ジャーナル フリー
    管理型最終処分場を例とした埋立地の安全と安心は,本稿で以下のように整理された。
    (1) 埋立地の安全の絶対条件は,廃棄物と保有水を場外へ流出させないことと浸出水を排水基準に合致させたのち放流することである。
    (2) 埋立地の安全は科学的指標とリスク管理から定義されるべきである。前者は「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令」(以下,基準省令) の 3 つの基準が基本となっており,後者は環境アセスメントが基本である。
    (3) 埋立地の安心は法制度と事業者への信頼が基本である。事業者への信頼は事業者の遵法性と財務基盤の確かさに基づく。前者は法制度に従った維持管理の実行と,廃止まで事業に責任をもつことである。後者は (利益 ≫ 収益 − 費用) を見通した事業展開をすることである。
    (4) 今後の課題は,埋立地の安定化に要する期間の予測手法と判定化の手法を明確にすることである。
  • 東條 安匡
    2016 年27 巻1 号 p. 10-17
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2020/11/07
    ジャーナル フリー
    廃棄物処分場の安全・安心の要件について,これまでの埋立地の発展段階とともに,安全・安心を確保すべき ① 対象,② 理由,そしてそれを満足するための要件という観点から整理することを試みた。都市外排除に始まり,ニューサンス (Nuisance) の抑制,環境汚染の防止と埋立地に求められる要件は変化してきた。そして現在の処分場に求められる要件は,次世代に持続可能な埋立地とすることである。物質の流れを考えれば,最終的な到達点 (シンク,Sink) は不可欠であり,埋立地は,将来にわたって物質の自然還元のために重要な役割を担う。そのためには,埋立地を制御された放出を認める一時的なSinkとするのか,セーフ・ファイナル・シンク (Safe Final Sink) とするのか,個々の物質の特性に応じて考えていく必要がある。加えて,わが国の安定型処分場と一般廃棄物処分場に関して,安全・安心をさらに確保するための要件,さらには早期安定化の実現可能性について考察した。
  • 遠藤 和人, 山田 正人
    2016 年27 巻1 号 p. 18-26
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2020/11/07
    ジャーナル フリー
    埋立廃棄物の封じ込めに関する制度上の変遷についてまとめた。現行基準における封じ込めの多重バリアとして,溶出抑制,遮水工,中間覆土,最終覆土,水処理施設,地下水モニタリングをあげ,それぞれの封じ込めに求められている機能と留意点について詳述した。また,封じ込めの目的が地下水保全であることを再認識し,維持管理期間を超え,廃止以降の長期にわたる埋立地からの漏洩評価に対するフラックス制御の考え方を示した。さらに,放射性セシウムに汚染された廃棄物の埋立処分の考え方を示すことで,浸出液と溶質のフラックス制御の違いについて補足した。
  • 田中 宏和, 山田 正人, 香村 一夫
    2016 年27 巻1 号 p. 27-38
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2020/11/07
    ジャーナル フリー
    最終処分場の安全性を考える上で,埋立地の安定化は重要な視点であり,適正な維持管理による早期の安定化が望まれる。しかし,埋立地の安定化状況を把握するための調査方法は多くの研究機関でさまざまな調査手法が検討されているが,一般化されるまでには至っていない。そこで本報では,福井県内の管理型最終処分場を対象に 2005 年から実施しているモニタリング調査を参考事例とし,調査手法の概要と得られた知見を紹介する。安定化は「塩類洗い出し」, 「塩類不溶化」および「有機物分解」の各プロセスで進行するため,埋立地内部の塩類賦存量と有機物分解状況を把握することが重要である。また,埋立地内部はさまざまな廃棄物が混在して不均質であるため,局所的な調査のみでは全体を評価できない。そのため,誤った評価をしないためには複数の手法を組み合わせた解析が有効である。さらに,長期的な安定化挙動を把握するには定期的なモニタリングが必要である。
  • 長森 正尚, 山田 正人, 石垣 智基
    2016 年27 巻1 号 p. 39-48
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2020/11/07
    ジャーナル フリー
    埋立ガスの組成や量の調査は,埋立廃棄物の安定化を間接的に示し,廃棄物最終処分場およびその周辺域の安全を担保するのに不可欠である。本稿では,最終処分場の維持管理,廃止に加えて地球温暖化の視点から,埋立地ガス調査の現状と筆者の調査事例を紹介しながら,それぞれの評価にかかる課題を提示した。
     ガスフラックス調査は,日変動が大きいガス抜き管で短時間での調査を避ける必要があり,ホットスポットと呼ばれるガス放出点の探索が維持管理の上で重要であることが示された。埋立地ガスの濃度を調査する上では,ガス抜き管を対象とするだけでなく,場内観測井等で廃棄物層内のガスを観測するとともに,内部保有水の pH を併せて測定することで,硫化水素や二酸化炭素等の酸性ガスの放出に関しても確認できる。
  • 磯部 友護, 川嵜 幹生, 香村 一夫
    2016 年27 巻1 号 p. 49-56
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2020/11/07
    ジャーナル フリー
    長期間にわたり維持管理を行う必要がある埋立地において,内部の安定化状況の評価や水分の内部貯留等の早期発見は,維持管理や廃止のためのモニタリングだけで判断することは難しい場合がある。そのため,非破壊かつ迅速に埋立地内部を調査できる電気探査の活用が期待されている。著者らがこれまでに行ってきた埋立地での電気探査を用いた調査により,① 埋立地の水分の内部貯留,② 土堰堤や遮水シート等の貯留構造物,③ 埋立地の洗い出しに伴う安定化の状況,を比抵抗の変化から推定できることが明らかとなった。さらに,IP探査や3次元探査といった手法を用いた新たな埋立地内部の調査方法が示された。いくつかの解決すべき問題があるものの,電気探査が埋立地調査方法として有効な手法であることが示された。
  • 大石 修
    2016 年27 巻1 号 p. 57-64
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2020/11/07
    ジャーナル フリー
    千葉県では産業廃棄物最終処分場の維持管理に関して,「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令 (省令)」 (以下,「基準省令」) の他に指導要綱で基準を規定しているが,現場ではさまざまなトラブルが生じている。そこで,県の地域特性を考慮して,かつ過去の事故事例をもとに,事故やトラブルの発生を防止し,また,発生した場合の影響を最小限に抑え最終処分場が安定な操業を行うための指針「千葉県における最終処分場の安定操業に関する手順書」をとりまとめたのでここに紹介する。
第26回研究発表会報告
廃棄物アーカイブシリーズ/『ゴミ戦争』の記録
平成27年度廃棄物資源循環学会第3回セミナー報告
平成27年度廃棄物資源循環学会企画セミナー報告
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