抄録
廃プラスチックは焼却処分すると二酸化炭素を排出するため,再生材として繰り返し利用することは資源効率の向上のみならず気候変動対策としても重要である。国が 2019 年 5 月に公表した “プラスチック資源循環戦略” では「2030 年までに,プラスチックの再生利用 (再生素材の利用) を倍増する」とされており,今後,投資やイノベーションの促進が必要不可欠となっている。一方で RoHS 指令や POPs 条約等の有害物質に対する規制強化が進んでおり,再生材利用においてもバージン素材と同様の対応が求められている。物性 (強度) と有害物の両面で再生材の品質を担保するためには,選別プロセスや品質管理において物質を直接的に検知するセンサ技術の活用が不可避となる。本稿では,三菱電機 (株) が推進する家電リサイクルプラスチックの自己循環リサイクルにおけるセンサ技術の活用について述べる。