抄録
脳死膵臓移植は重症1型糖尿病の根治療法として1960年代に開始され,現在までに世界で40,000例以上の臨床例が行われている。80%以上が膵・腎同時移植として行われ,成績も年々向上し,現在は腎移植と同様良好である。わが国でも脳死及び生体膵臓移植が実施され,臨床例は欧米に比較して少ないが,好成績が得られている。筆者は国立病院機構千葉東病院および藤田保健衛生大学で脳死,生体膵臓移植,膵島移植の臨床を行い,そのいずれも良好な成績を得ているが,膵島移植は未だインスリン離脱率が低く,今後の成績改善が必須である。今後は,糖尿病患者の病態,ニーズに合わせた適応決定,選択が重要である。