2017 年 60 巻 p. 24-32
量子ドット, フラーレン, CNT, グラフェン, その他多くのナノ粒子といった素材については, すでに大量合成できる段階にまで至っている。ナノ粒子の粒子径, サイズの制御も少しずつ対応できてきている。それにもかかわらず, その応用展開は, 必ずしも十分に進められていないのが現状である。ナノ粒子の応用には多くの場合, 高分子や溶媒に高濃度で分散させ, 成形加工に求められる流動性を確保しなければならないが, そのための技術, 科学が未成熟で材料設計が十分にできないことが解決すべき課題の一つである。ここでは, その解決するための方法として超臨界水熱合成を用いたナノ粒子大量合成法および分散と流動性確保のための表面親和性制御について説明するとともに, ナノ粒子高分子ハイブリッド材料, ナノ触媒への応用についても紹介し, 将来の展開について議論したい。