
本論文は、省エネルギーかつ環境負荷の低い乾式処理技術による粒子構造制御の最新事例を紹介している。高性能分級機を組み合わせた粉砕技術により、サブミクロン領域の微粒子生成が可能となり、乾式複合化処理は電池材料の性能向上や医薬品の溶出制御に有効であることが実証されている。バインダ不要で乾燥工程も省略できる乾式処理は、自動車用電池材料や難溶性医薬品の需要増加に伴い、さらなる適用拡大が期待される。製造プロセス全体の効率化に貢献する重要な先端技術である。

乾燥の原理を説明するとともに、乾燥機を直接加熱型と間接加熱型、連続式とバッチ式に分類し、わかりやすく解説されています。また原料性状から見た場合の装置適性についても言及されており、乾燥方式の異なるホソカワミクロン社の代表的な乾燥機「ドライマイスタ」、「ナウタミキサ」、「トーラスディスク」、「ソリッドエアー」のそれぞれについて、特徴や適した原料性状についてまとめられています。

粉体の帯電特性は製品品質に影響するが、従来のファラデーゲージ法では試料全体の平均値のみを測定し、個々の粒子の帯電量分布や粒子径との相関を把握できない。本稿では、粒子径と帯電量を同時測定できる世界唯一の装置「イースパートアナライザ®」を紹介。30年以上の実績を持ち、小型化・デジタル化した次世代機の開発が進められており、精密な粉体評価技術として期待される。

本稿は、パルプ産業やバイオエタノール製造で副生するリグニンに着目し、その高度利用を支える粉体プロセス技術を体系的に解説しています。微粉砕や乾式造粒の原理、装置選定、エネルギー特性まで踏み込んで紹介しており、環境負荷低減と安全・効率的な取り扱いの両立が具体的に示されています。カーボンニュートラル社会の実現に向けた粉体技術の重要性を実感できる内容です。

成分を届け、留める──スキンケア・ヘアケア製品の効果実感を左右するこの課題に対し、本研究では独自のPLGAナノ粒子技術による解決策を提示しています。機能性成分のポテンシャルを最大限に引き出すべく、効率的な送達と徐放に特化した機能性原料の開発に成功。本稿は、その詳細な効果検証を通じて、高まる美容ニーズへの貢献可能性を示す内容となっています。