粉砕
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60 巻
選択された号の論文の30件中1~30を表示しています
〈表紙〉
〈編集委員会〉
〈目次〉
〈巻頭言〉
〈特集〉 豊かな未来社会を築く粉体技術
  • 牧野 尚夫, 野田 直希
    2017 年 60 巻 p. 3-12
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    石炭は, 化石燃料の中で最も賦存量が多く, 長期的に安定供給が見込まれる優れたエネルギー源であるが, 温室効果ガスとして注目されているCO2排出量が多い等の課題を有している。石炭を, 低炭素社会に適合させつつ利用するための方式として, 高効率な発電技術, CO2回収と組合せた技術および, カーボンニュートラルなバイオマスとの併用技術などの開発状況を, 粉体工学的視点から紹介する。また, 負荷変動の激しい自然エネルギーの欠点を補う上でも重要な, 負荷応答性に優れた石炭火力技術開発おける粉体工学の役割を明らかにする。

  • 西村 勇哉, 森田 健太, 鈴木 貴弘, 荻野 千秋, 近藤 昭彦
    2017 年 60 巻 p. 13-19
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    B型肝炎ウイルスのエンベロープタンパク質は肝細胞を特異的に認識する機能を有している。我々はこの機能を応用して, がん細胞などを特異的に認識可能とするバイオ中空ナノ粒子(BNC)の開発に成功している。一方で, 100 nm程度の大きさの過酸化チタン・ナノ粒子に, 放射線照射依存的にラジカルや過酸化水素を発生する能力を有することも明らかにしてきている。併せて, この無機ナノ粒子をBNCに包含する事にも成功しており, 担癌マウスを用いた実験において, 放射線照射依存的にがん組織の退縮効果を獲得することに成功している。本稿では, これまでの研究成果について紹介したい。

  • 高井 陸雄
    2017 年 60 巻 p. 20-23
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    近年多くの「食用粉体」は, 有効成分の付加, 忌避成分の除去, 等の加工を施し, 販売されるようになってきている。原材料の成分には無いものを付加し, 新たな機能を持った「新しい粉体」を設計し, その「粉」の特徴を大胆に売り出していこうと言う作戦である。「小麦粉を主食」とするヨーロッパの人にとっては避けたいグルテンを除去した粉を市場に出す必要がある。このように決まった成分は持たない「粉」を市場に売り出すことが必要とされている。

    日本の市場においては, 食品の高機能粉末の作出とそのカプセル化技術がある。日本では製粉技術を駆使したグルテンフリーの粉に関心があるのであろうか?

    本稿では上記の技術に少なからぬ貢献をすると考えられる, 「食品のガラス状態」を「食文化」と関連づけて取り上げる。

  • ―ナノ粒子合成・コンポジット材料合成・界面制御触媒―
    阿尻 雅文
    2017 年 60 巻 p. 24-32
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    量子ドット, フラーレン, CNT, グラフェン, その他多くのナノ粒子といった素材については, すでに大量合成できる段階にまで至っている。ナノ粒子の粒子径, サイズの制御も少しずつ対応できてきている。それにもかかわらず, その応用展開は, 必ずしも十分に進められていないのが現状である。ナノ粒子の応用には多くの場合, 高分子や溶媒に高濃度で分散させ, 成形加工に求められる流動性を確保しなければならないが, そのための技術, 科学が未成熟で材料設計が十分にできないことが解決すべき課題の一つである。ここでは, その解決するための方法として超臨界水熱合成を用いたナノ粒子大量合成法および分散と流動性確保のための表面親和性制御について説明するとともに, ナノ粒子高分子ハイブリッド材料, ナノ触媒への応用についても紹介し, 将来の展開について議論したい。

  • クロスリー イアン
    2017 年 60 巻 p. 33-45
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    第4次産業革命は, 今まさに幕開けを迎えている。これまでの産業革命と同様に, 業界は競争力を維持していくためには, 納期と製品品質の観点で顧客の期待に応えられる新しい技術に適応していかなければならない。第4次産業革命は, インターネットの進歩と産業的な応用がクラウドで支援されるしっかりとしたプラットフォームの開発, ならびに接続されたシステムを使った社会的活動の増加によって実現されてきた。

    これらの技術を表すために, モノのインターネット(IoT)やインダストリー4.0, サイバーフィジカルシステムズなどのような多くの言葉が使われてきた。本講演では, これらのシステムの展開を可能にする基本設計概念, ならびに粉粒体産業で利用することができる応用事例, いくつかのデータマイニングや, 遠隔計測, 閉回路人工知能制御などの実例について述べる。これらはその理解, 計測, 制御戦略展開に繋がっている。

    Editor's pick

    現在黎明期を迎えている第4次産業革命は、インターネットの進歩と産業的な応用がクラウドで支援される確固たるプラットフォームの開発、ならびにオンラインシステムを使った社会的活動の増加によって実現されてきた。本稿では、これらのシステムの展開を可能にするアーキテクチャー、ならびに粉粒体産業で利用することができる応用事例、いくつかのデータマイニングの実例、遠隔計測、閉回路人工知能制御について述べている。

  • ホソカワ粉体工学振興財団設立25周年記念特別講演
    藤嶋 昭
    2017 年 60 巻 p. 46-54
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
〈解説〉
  • ―廃電子基板からのタンタル回収に適した単体分離法の検討―
    所 千晴
    2017 年 60 巻 p. 55-59
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    近年, 2次資源から有用金属を回収するための分離技術開発の重要性が増しているが, リサイクルプロセスの最前段に位置する破砕・粉砕技術は, 目的成分を単体分離させ, リサイクルプロセス全体を省エネルギーかつ高精度化するための重要な技術である。廃電子基板中のタンタルはある特定の部品に集中して使用されていることから, タンタル回収には部品をできるだけ粉化させずに基板から剥離させ, 物理選別にてタンタルが使用されている部品を濃縮させるような「部品剥離選別」が有効である。このような部品剥離には, ドラム型衝撃式破砕機が有効であるが, 撹拌体形状は撹拌翼型よりもチェーン型の方が, より部品剥離に適していることがわかった。粉砕機内の部品剥離挙動を詳細に検討するために, 粒子ベース剛体モデルを組み込んだDEMシミュレーションを行ったところ, チェーンのたわみがより大きな衝突エネルギーの伝達につながっていることが確認された。

〈テクニカルノート〉
  • 田川 奨一郎
    2017 年 60 巻 p. 60-64
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    ピコラインは小規模研究開発用の卓上ラボ機である。1台のプラットフォームに各種モジュールを取り付けることで粉砕・分級・混合・粒子設計のような様々な粉体処理が可能である。運転条件, 測定データ等の情報は正面のタッチパネルに表示され, 同時に内部メモリへ保存される。保存された各種データは運転後に容易にPC等へ取り出すことが出来る。ピコラインの運転に必要な周辺機器に関しても, オプションとしてラインアップしている。また, 要望に応じてセラミック仕様・コンテインメント仕様も対応可能である。

    弊社テストでは超微粉砕を目的とするものが多く, 医薬分野のテスト実績が半数を占める。ピコラインで得られる粉砕サンプルの粒子径は同じシリーズのスケールアップ機種において達成可能である。

    Editor's pick

    ピコラインは少量のサンプルを用いて粉体処理テストを行うための卓上ラボ機として開発された装置である。1台のプラットフォームに各種モジュールを取り付けることで粉砕・分級・混合・粒子設計のような様々な粉体処理が可能である。運転条件, 測定データ等の情報は正面のタッチパネルに表示され, 同時に内部メモリへ保存される。保存された各種データは運転後に容易にPC等へ取り出すことが出来る。ピコラインは要望に応じて、セラミック仕様・コンテインメント仕様も対応可能であり、医薬分野の超粉砕テストなどに多く使用されている。ピコラインで得られる粉砕サンプルの粒子径は同じシリーズのスケールアップ機種において達成可能である。

  • 佐野 敦
    2017 年 60 巻 p. 65-71
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    国によるジェネリック医薬品の推奨など, 医療費の削減が叫ばれ, 薬価下げの圧力がある中, 各医薬品メーカーはいかに効率よく, 品質の高い製品を製造できるか常に頭を悩まされている。当社は粉砕設備を中心に医薬業界にアプローチを行なっているが, ユーザーが高品質で効率良く経済的に生産するための周辺設備も揃えている。今回は医薬業界にて粉砕設備の他に活躍する機器類を紹介する。

  • 羽木 孝輔
    2017 年 60 巻 p. 72-75
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    ノビルタは, 精密分散や複合化・表面改質・球形化といった粒子設計が乾式で可能な機械である。2004年に世に出て以来, 100を超えるユーザーに納入され, 様々な分野で活躍してきた。本報では, ノビルタの優れた複合化性能を維持したまま, 最大500ℓの大型機まで製作が可能な新型乾式粒子複合化装置 ノビルタ ベルコム(NOB-VC)を紹介する。

  • 北村 智浩, 笹辺 修司
    2017 年 60 巻 p. 76-80
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル オープンアクセス

    本年, 粉体特性評価装置パウダテスタ「PT-X型」の機械的構造・操作方法など, 30点以上におよぶ改善・改良を行った。本報では, 粉体特性評価時の測定条件が測定結果に与える影響と装置の技術的な特徴について紹介する。様々なデータを元に開発したパウダテスタが, 引き続き様々な分野での研究開発や品質管理, プロセス設計にお役に立てれば幸いである。

〈新製品紹介〉
〈事業紹介〉
〈トピックス〉
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