粉砕
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〈解説〉
球形粉砕法―機械的粉体融合化技術による薬物球形粒の設計
丹羽 敏幸
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2018 年 61 巻 p. 49-54

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抄録

機械的せん断処理装置を用いた新規な乾式粉砕技術, “球形粉砕法”を開発した。100 μm以上の粒子径を持つ薬物結晶が, コーンスターチ(CS)粒と一緒に処理することにより効率的に微細化されることを見い出した。形態観察と粒度測定により, 処理品はCS核粒に薬物結晶が被覆したオーダードミクスチャー様の複合粒子を形成していることが示された。この結果は, 薬物結晶のみが選択的に微細化され, 未粉砕のCS粒表面に付着・固定化されたことを指示している。インデンテーション試験より得た応力特性より, 弾性体であるCS粒に取り囲まれた薬物結晶が, せん断応力下, 脆性破壊されたものと推察した。複合粒子からの薬物溶出性は劇的に改善され, これは水相中で薬物粒子が速やかにCS粒表面から離脱し, 微細粒子となって分散する挙動に起因していることを明らかにした。これらの知見は, 粉砕ボールやビーズを使用しないコンタミレス乾式粉砕法を提案するものである。

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