2020 年 63 巻 p. 3-12
粉体処理および粉体関連の各種製造は速度過程に属し,凝集性粉体では流動が律速になる。材料特性の多様化,湿度・摩擦帯電などの環境条件に対する感受性の増大に伴って,状態の予測は難しくなるが,少量の粉体で適切に評価試験を行えれば有効に活用できる。粉体操作では,低応力下における流動性試験が必要とされることが多い。凝集性粉体の(準静的)流動崩壊を評価する方法は既に確立されている。せん断に伴う粉体流動パラメーターは操作速度に依存するので,動的状態の特性評価では,せん断セルは使用しない。粉体の流動抵抗をせん断ひずみ速度の関数として定量化が可能な粉体レオメトリー装置は限られており,粉体の挙動と粒子の物理的・機械的特性との関連付けは重要な課題である。本稿では,現在使用されている各装置の概要を記すとともに,凝集性粉体の最新のレオメトリーを解説する。