2020 年 63 巻 p. 13-19
離散要素法は,一般的な粉粒体挙動の数値シミュレーションを可能とし,計算機環境の発達と商用汎用コードの普及などを背景として,粉粒体挙動の理解や各種粉体プロセスの設計や最適化のために必要不可欠なツールとなっている。本稿では,まず,計算負荷を軽減して効率的な計算を行うために必要となる粒子運動計算の基礎的な知識,および離散要素法におけるばね定数の低減が計算負荷軽減に有効であることを述べる。次に,この知識を活用することにより,粒子が付着力を有する場合に対して計算負荷軽減のためのモデリングが可能となること,さらにそのモデリングの一般化について紹介する。