2020 年 63 巻 p. 20-28
マイクロ空間での混合は,急速混合と精密拡散制御という2つの概念に分類される。本論文では,ナノ粒子を設計するための方法論をこれらの混合概念に基づいてまとめた。まず,精緻混合の一例として二重管型マイクロリアクターによるTiO2合成例を示し,核生成と粒子成長場を分離可能であることを示した。次に,核形成過程を厳密に制御することを目的に,我々が独自に開発したマイクロミキサー,K-Mミキサーを紹介し,これを用いた金属,有機物それぞれの単分散ナノ粒子の製造,コアシェル粒子合成,合金触媒粒子合成,MOFの高効率合成結果を例示し,マイクロミキサーがナノ粒子設計の強力なツールになることを示した。最後に,マイクロリアクターの生産技術としての利用方法,今後の生産技術での位置づけに関して議論した。