粉砕
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〈テクニカルノート〉
17型コラーゲン産生促進効果を有するPLGAナノ粒子の新型育毛剤への応用
鈴木 貴弘笹井 愛子辻本 広行安永 峻也小川 法子山本 浩充
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 64 巻 p. 62-68

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抄録

毛包幹細胞は自ら産生した特殊な3Dコラーゲン(17型コラーゲン:COL17)を接着剤のように使い,毛包内壁(バルジ領域)に停留し,そこで発毛を司る毛母細胞を産生している。しかし,加齢に伴いCOL17の産生量は減少し,幹細胞の毛包内壁への接着が低下すると毛周期の進行やターンオーバーに伴って毛包から排出され,薄毛が進行していくことが最近の研究で報告されている。この進行を抑制するためにCOL17を塗布(育毛剤)や経口摂取(サプリメント)で補おうとしても,外部から供給したCOL17を毛包幹細胞が取り込むことはなく,毛包幹細胞をバルジ領域に留まらせるには幹細胞に自らCOL17を産生させることが必要である。著者らはこれまでに有効成分を封入したPLGAナノ粒子の毛穴浸透性や効果持続性,さらには細胞内への成分送達を高めうることを報告してきた。本稿ではPLGA ナノ粒子を用いることによる17型コラーゲン産生促進効果,及びそれによる毛包幹細胞の活性向上効果を報告する。

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