粉砕
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64 巻
選択された号の論文の28件中1~28を表示しています
〈表紙〉
〈編集委員会〉
〈目次〉
〈巻頭言〉
〈特集〉 日常生活を豊かにする粉体プロセス技術
  • 綿野 哲
    2021 年 64 巻 p. 3-8
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    快適な日常生活を支える生活必需品から,高度な先端技術を支える高機能性材料に至るまで,粉体が使用されることが極めて多くなっている。最終製品が粉粒体の場合,製品特性に対する粉体の寄与は明らかであるが,原料あるいは中間体においても粉体物性が最終製品の性能を決定する場合が多く,粉体の役割は極めて大きい。また,科学技術の進歩に伴い,粉体に求められる要求はますます多様化,高機能化および微細化の傾向にあり,粉体材料をいかに効率良くハンドリングするかによって,製品品質はもちろんのこと,その製造効率が大きく変化する。従って,粉体の特性を理解し,その機能を最大限に発揮するための手法を扱う粉体工学は,あらゆる科学技術の基盤であると言っても過言ではない。本稿では,大学生を対象とした粉体工学の啓発活動を目的としたシンポジウムにおいて発表した講演内容を紹介する。

  • 作田 敦, 林 晃敏, 辰巳砂 昌弘
    2021 年 64 巻 p. 9-17
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    電池の大型化への需要が高まるにつれて,安全・高エネルギー密度な二次電池の開発が求められている。その筆頭候補が硫化物系固体電解質を用いた全固体電池である。本稿では,全固体電池の分類,粉末成形型全固体電池の構造,イオン伝導度の測定方法,電極活物質の理論容量の計算など,全固体電池の研究開発に関する基礎的な内容を概説する。さらに,現在主流の全固体リチウムイオン電池の研究動向や,次世代型高容量電池として期待されている全固体リチウム硫黄電池に関しても最近の研究内容を紹介する。

  • 中倉 修平, 荻 崇
    2021 年 64 巻 p. 18-27
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    セシウムタングステン酸化物のナノ粒子は,太陽光中の赤外光を選択的に吸収して可視光を透過するため,窓材等に用いることで居住空間を快適に保つ透明な赤外線吸収材料として普及が進む。本稿では,噴霧熱分解法における急冷プロセスを用いて特異的な欠損構造を含むセシウムタングステン酸化物のナノ粒子を気相合成し,形成した欠損構造に起因して赤外吸収特性が制御可能であることを紹介する。また,普及に向けた課題である着色現象の改善にも噴霧熱分解法を用いたプロセスが有効であることについても述べる。

  • シュテフェン サンダー
    2021 年 64 巻 p. 28-34
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    粉体材料が用いられる様々な応用分野において,原料粉体の粒度および粒子径分布の形状は,最終製品の特性に大きな影響を与える。そのため,回転ロータを用いた分級機による空気分級操作は,長年にわたって,粉体プロセスにおいて高度な分級プロセスとして利用されている。しかしながら,装置内で生じているミクロな現象は,現在も十分には解明されておらず,重要な研究課題となっている。実際には,次の3つの傾向が現在重要となっている。それらは,微粉に対する関心が強くなっていること,要求される品質を保証する粒子径分布の調整が重要となっていること,日用品の製造において特に重要な分級プロセスの比動力消費量の減少に配慮すること,である。

  • オルカヨデ アイ イモーレ, メノ イプマ, ペーター ファン デア ヴェール
    2021 年 64 巻 p. 35-41
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿では,FlexomixTM(連続式縦型造粒装置)の研究から得られた知見を紹介する。最終製品についての要求は,プロセスの設定値を系統的に調整することで実現できることを示す。さらに,2つの異なるスケールアップ則(先端速度一定とフルード数一定)での比較を行った。FlexomixTMの混合チャンバ内の粉体の流動パターンに関する定性的情報を高速撮影により取得し,トレーサ実験によって滞留時間の定量化を行った。得られた結果は,FlexomixTM造粒システムに関するさらなる応用,研究,および実験への道を開くことが期待される。

〈テクニカルノート〉
  • 岩田 敏昭
    2021 年 64 巻 p. 42-47
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    近年,タルクやカーボンブラックなどの微粉のハンドリング性向上を目指した減容化や後工程の性能アップの為に,ロール型圧縮造粒機の導入を検討するユーザーが増え,引合が増えている。2013年に,当社ホソカワアルピネコンパクションからロール型圧縮造粒機を導入後,高強度な成形物が得られる「せん断型ブリケットマシン」を開発した。当社のロール型圧縮造粒機の実証テストは,「ホソカワアルピネコンパクション(ドイツ,ラインガルテン)」と「ホソカワミクロン(日本)」の2拠点で実施可能であり,ユーザー用途に最適な造粒条件の見極めと過去実績をベースに,大型機へのスケールアップを行っている。

    本報では,当社の乾式造粒のロール型圧縮造粒機の概要,原理,構造ならびにせん断型ブリケットマシンの特徴,用途例をまとめている。

    Editor's pick

    かさ高い微粉材料のハンドリング性の向上や減容化などのために、回転する2本のロール間で粉体を圧縮成形する乾式のロール型圧縮造粒機への関心が高まっていますが、この記事では、ホソカワミクロンの乾式造粒用ロール型圧縮造粒機の概要,原理,構造を紹介すると共に、この2本のロール回転数に差を持たせ、ロール表面に速度差をつけて剪断力を高めた「せん断型ブリケットマシン」の開発とその納入例、ならびに大型機へのスケールアップの実績について紹介しています。

  • 渡辺 晃
    2021 年 64 巻 p. 48-51
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    乾式操作における微粉砕を考えた場合,ジェットミルはその有力候補の1つに挙げられる。中でも流動層型カウンタジェット®ミルは,機械的粉砕部を持たないため,コンタミネーション量が少なく,摩耗性の高い原料に適している。ジェットミルは,微粒子を得るのに適しているものの,その圧縮ガス源にコンプレッサを使うのが一般的であり,そのエネルギーコストが高いという問題を抱えている。この問題を解決する方法の1つとして高温ガスを用いる方法について解説し,なぜ高温ジェットミルを用いると粉砕効率が向上するのかを説明する。また実際の実験データについても紹介する。

    Editor's pick

    乾式微粉砕機として広く用いられているジェットミルはターゲット型、スパイラル型、流動層型などに分類されますが、これらの中で流動層型のカウンタージェットミルでは,主に粉体原料同士による衝突で微細化されるため、装置の摩耗や原料への不純物の混入が少ないものの、ジェットミルはエネルギー効率が低いのが難点となっています。この記事では、この問題を解決する手段の 1 つとして高温ガスを用いる方法について解説し,その粉砕効率向上の原因について説明し、実際の実験データも紹介しています。

  • ダニエル ドロープ
    2021 年 64 巻 p. 52-55
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿では,金属粉体を使用した選択的レーザ溶融(SLM: Selective Laser Melting)を用いた積層造形法をレビューして,SLM用金属粉体の粒子の大きさと形状に対する高い要求内容を明らかにする。製造過程において,ガスアトマイズシステムから得られる原料粉体は,流動性を改善するために微粉を除去する必要があり,さらに最大粒子径を正確に定義する必要がある。単一の処理操作で3成分に分級する分級機を使用して両方の課題を解決する方法について説明する。2ステップの分級操作により,分級点の微調整が可能となるため,ガスアトマイズ装置から得られる原料粉体を最適な方法で処理することができ,最後のふるい分け操作は不要となる。

    Editor's pick

    近年、3Dプリンタによる造形技術が急激な進歩を遂げ、より広く使われるようになってきていますが、金属粉体を使った選択的レーザー溶融による積層造形法では、その金属粉体の粒子の大きさと形状についての要求がますます厳しくなっています。通常これらの金属粉体は、ガスアトマイズ法で製造されますが、ある程度粒子径分布が幅を持っています。この記事では、積層造形法の高度化を狙って、この金属粉体を1台の分級機で、粒子径分布の上端と下端をカットして、微細でシャープな分布を持つ製品を得ることができる超微粉分級機とそのシステムについて紹介しています。

  • 村田 憲司, 北村 智浩, 河原 正佳
    2021 年 64 巻 p. 56-61
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    粉体処理プロセスにおいて,粒子径分布は非常に重要な物性の一つである。一般的には粉体処理プロセスで生産された製品を一定期間ごとに少量サンプリングし,品質管理室などに設置してある粒子径分布測定装置により測定を行う。しかし,近年,生産管理の高度化,IoT化や省人化などへの期待からオンラインの粒子径分布測定装置が求められるようになってきた。本稿では当社のオンライン粒子径分布測定機オプティサイザ®シリーズを用いたシステムを紹介し,粒子径分布のオンライン測定で注意すべきこと,フィードバック制御,リモートモニタリングシステムへの応用について記載する。

    Editor's pick

    粉体処理システムにおいて、粉体の粒子径分布を把握することは非常に重要ですが、これまではもっぱらサンプリングによる回分的な測定が行われていました。一方、近年の粉体処理システムの生産管理の高度化や自動化、IoT化などにおいて、粒子径分布のオンライン測定へのニーズがますます高まっています。この記事では、オンライン粒子径分布測定機オプティサイザⓇシリーズを用いた粉体処理システムを紹介し、粒子径分布のオンライン測定について注意すべき点や、フィードバック制御、リモートモニタリングシステムへの応用等について解説しています。

  • 鈴木 貴弘, 笹井 愛子, 辻本 広行, 安永 峻也, 小川 法子, 山本 浩充
    2021 年 64 巻 p. 62-68
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    毛包幹細胞は自ら産生した特殊な3Dコラーゲン(17型コラーゲン:COL17)を接着剤のように使い,毛包内壁(バルジ領域)に停留し,そこで発毛を司る毛母細胞を産生している。しかし,加齢に伴いCOL17の産生量は減少し,幹細胞の毛包内壁への接着が低下すると毛周期の進行やターンオーバーに伴って毛包から排出され,薄毛が進行していくことが最近の研究で報告されている。この進行を抑制するためにCOL17を塗布(育毛剤)や経口摂取(サプリメント)で補おうとしても,外部から供給したCOL17を毛包幹細胞が取り込むことはなく,毛包幹細胞をバルジ領域に留まらせるには幹細胞に自らCOL17を産生させることが必要である。著者らはこれまでに有効成分を封入したPLGAナノ粒子の毛穴浸透性や効果持続性,さらには細胞内への成分送達を高めうることを報告してきた。本稿ではPLGA ナノ粒子を用いることによる17型コラーゲン産生促進効果,及びそれによる毛包幹細胞の活性向上効果を報告する。

    Editor's pick

    毛包にある幹細胞は特殊な 3D コラーゲン(17 型コラーゲン:COL17)を作り出し、これを接着剤のように使って毛包内壁に留まりながら、そこで毛の元となる毛母細胞を生み出している。一般に加齢に伴いCOL17の産生量は減少し、幹細胞の毛包内壁への接着が脆弱になるので、幹細胞の毛包から毛穴外への離脱が進行するので、毛母細胞の供給ができなくなり、その結果、薄毛が進行していくことになる。 この進行を抑えるには毛包幹細胞に対し自らCOL17を産生させうる新たな刺激(有用成分)を与える(供給する)必要がある。  この記事ではPLGA ナノ粒子の優れた毛穴浸透性と各種細胞内への成分送達性を活かし、頭皮から毛包幹細胞へCOL17産生促進成分であるクロロゲン酸を効率よく供給しうるキャリア粒子として(育毛剤)利用を想定し、in vitroにおいてCOL17の産生が促進されることとヒトモニター試験により毛包幹細胞の活性が認められたことを報告している。

〈新製品紹介〉
〈事業紹介〉
  • ホソカワミクロン株式会社 粉体システム事業本部
    2021 年 64 巻 p. 73-75
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    The powder processing system division is mainly responsible for manufacturing and sales of the powder processing equipment. The powder processing equipment is a device related to overall powder processes such as grinding, classifying, mixing, particle design, drying, granulation, transportation, feed and discharge, filling weighing, and measurement, and has a wide product lineup.

    In addition to the powder processing equipment, we also provide environmental dust collectors to prevent air pollution, improve the working environment, and air conditioners to protect the workers from the specified chemical substances. We realize total engineering from production equipment to environmental equipment.

    We not only provide single equipment but also propose an optimal system that combines various equipment by engineering of it according to the customer’s request, and improve the value of product, quality and production capacity and we work with the goal of customers satisfaction. This division is composed of three departments: sales department, engineering department, and production department, and it consistently handles everything from the planning of projects related to powder processes for the design, production, sales, installation and supervising for start-up.

  • ホソカワミクロン株式会社 メンテナンスサービス事業本部
    2021 年 64 巻 p. 76-77
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    After sales Division is engaged in sales and repair of parts, alteration of machinery and system improvements in order to solve the issues about powder processing. Our main purpose is to provide the best solution to develop a trust relationship with the clients by increasing the number of alterations tailored to customer specifications. Our domestic branches are located in Osaka, Tokyo, Nagoya, and Shimonoseki and also, the overseas branch is located in Thailand for following-up of Southeast Asian clients. Experienced engineers provide a fast response to enquiries and deliver skilled reliable repairs and maintenance services for a single piece of equipment or your full process line.

  • ホソカワ受託加工株式会社
    2021 年 64 巻 p. 78-80
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    Our Toll Processing business responds to customer’s specific production needs under strict quality control, based on various experiences and know-how in powder processing technologies that Hosokawa Micron Corporation has cultivated for over 100 years.

    Our business mission is to support our customers’ business opportunities with a variety of powder processing, such as small-scale test process for research and development, bridging production process until the start of equipment operation, and mass production process that replaces production lines.

  • ホソカワミクロン株式会社 マテリアル事業本部
    2021 年 64 巻 p. 81-83
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    Material Business Division possesses advanced PLGA (Poly-Lactic-co-Glycolic Acid) nanoparticle technologies having DDS (Drug Delivery System) characteristics. The PLGA nanoparticles proposed and provided by us have already been applied to not only drug formulation but also cosmetics, quasi-drugs, medical devices such as stent and balloon catheters. In 2004, we launched to sell both a functional skincare cosmetic brand “NanoCrysphere®” and a haircare brand “NanoImpact®” with the PLGA nanoparticles. Currently, we are also promoting ODM productions and sales for various types of unique cosmetics such as powdery serum and eyelash serum, etc., utilizing our PLGA nanoparticle technologies.

  • ホソカワミクロン化粧品株式会社
    2021 年 64 巻 p. 84-86
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    Hosokawa Micron Cosmetics released the latest version of the hair restorer NanoImpact® series, “Co17” in July, 2019. Currently, we are developing TV commercials and Internet advertisements nationwide, and succeeding in cultivating a new customer base with the increasing number of female customers. In addition, by renewing the product, customer satisfaction is also improving, and the percentage of customers who continue to use our products is increasing.

    In the cosmetics business, sales of “Eyelash Serum”, which we have been developing since fiscal year 2018, have been strong. We have also begun new sales promotion activities, such as developing online advertising on powdery moisturizer “Powderly Moist Plus”. In Web advertisements, we use Facebook, Instagram, and other SNS to disseminate information and implement measures for the customers to become our fans. As a result of these measures, the percentage of customers via Web has increased (280% compared to last year). We expect further growth in the cosmetics business in the future.

    Under the influence of the new virus worldwide, there is concern of decline in consumers’ willingness to purchase, and we will continue to carry out efficient sales promotion activities by leveraging the strength of mail-order sales that can be purchased at home. With it as our corporate motto that we will improve the quality of life (QOL) of everyone’s social life by providing products that utilize the world-class nanoparticle technology of the Hosokawa Micron Group to general consumers, we will continue to study and work on a daily basis.

  • ホソカワミクロンワグナー株式会社
    2021 年 64 巻 p. 87-89
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    Hosokawa Micron has been importing and selling powder coating machines using environmentally friendly “Powder coatings” since 1979 from German company “Wagner”. In 1997, Hosokawa Micron Wagner was established as a joint venture company with Wagner. Powder coating is not only safe because it does not use solvents, but it is also a highly promising coating field where over sprayed paint (unpainted) can be recycled.

  • ホソカワミクロン韓国Ltd.
    2021 年 64 巻 p. 90-91
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    Hosokawa Micron Korea (HMK) located in Seoul was established in 1996 as a representative of Hosokawa Micron Group and currently has 10 employees. Most of them are technical staff mainly working for equipment sales throughout South Korea handling the products for the entire Hosokawa Group for powder processing of advanced materials like the booming secondary batteries. HMK is currently introducing the teleworking ­making use of the Internet to improve work efficiency to cope with the COVID-19 problems. By adapting quickly to the rapidly changing global circumstances, HMK intends to make continuous efforts in order to establish a firm position in the Korean powder equipment industry and contribute to the development of the Korean powder industry.

〈トピックス〉
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