かさ高い微粉材料のハンドリング性の向上や減容化などのために、回転する2本のロール間で粉体を圧縮成形する乾式のロール型圧縮造粒機への関心が高まっていますが、この記事では、ホソカワミクロンの乾式造粒用ロール型圧縮造粒機の概要,原理,構造を紹介すると共に、この2本のロール回転数に差を持たせ、ロール表面に速度差をつけて剪断力を高めた「せん断型ブリケットマシン」の開発とその納入例、ならびに大型機へのスケールアップの実績について紹介しています。
乾式微粉砕機として広く用いられているジェットミルはターゲット型、スパイラル型、流動層型などに分類されますが、これらの中で流動層型のカウンタージェットミルでは,主に粉体原料同士による衝突で微細化されるため、装置の摩耗や原料への不純物の混入が少ないものの、ジェットミルはエネルギー効率が低いのが難点となっています。この記事では、この問題を解決する手段の 1 つとして高温ガスを用いる方法について解説し,その粉砕効率向上の原因について説明し、実際の実験データも紹介しています。
近年、3Dプリンタによる造形技術が急激な進歩を遂げ、より広く使われるようになってきていますが、金属粉体を使った選択的レーザー溶融による積層造形法では、その金属粉体の粒子の大きさと形状についての要求がますます厳しくなっています。通常これらの金属粉体は、ガスアトマイズ法で製造されますが、ある程度粒子径分布が幅を持っています。この記事では、積層造形法の高度化を狙って、この金属粉体を1台の分級機で、粒子径分布の上端と下端をカットして、微細でシャープな分布を持つ製品を得ることができる超微粉分級機とそのシステムについて紹介しています。
粉体処理システムにおいて、粉体の粒子径分布を把握することは非常に重要ですが、これまではもっぱらサンプリングによる回分的な測定が行われていました。一方、近年の粉体処理システムの生産管理の高度化や自動化、IoT化などにおいて、粒子径分布のオンライン測定へのニーズがますます高まっています。この記事では、オンライン粒子径分布測定機オプティサイザⓇシリーズを用いた粉体処理システムを紹介し、粒子径分布のオンライン測定について注意すべき点や、フィードバック制御、リモートモニタリングシステムへの応用等について解説しています。
毛包にある幹細胞は特殊な 3D コラーゲン(17 型コラーゲン:COL17)を作り出し、これを接着剤のように使って毛包内壁に留まりながら、そこで毛の元となる毛母細胞を生み出している。一般に加齢に伴いCOL17の産生量は減少し、幹細胞の毛包内壁への接着が脆弱になるので、幹細胞の毛包から毛穴外への離脱が進行するので、毛母細胞の供給ができなくなり、その結果、薄毛が進行していくことになる。 この進行を抑えるには毛包幹細胞に対し自らCOL17を産生させうる新たな刺激(有用成分)を与える(供給する)必要がある。 この記事ではPLGA ナノ粒子の優れた毛穴浸透性と各種細胞内への成分送達性を活かし、頭皮から毛包幹細胞へCOL17産生促進成分であるクロロゲン酸を効率よく供給しうるキャリア粒子として(育毛剤)利用を想定し、in vitroにおいてCOL17の産生が促進されることとヒトモニター試験により毛包幹細胞の活性が認められたことを報告している。