2024 年 67 巻 p. 13-21
1979年に発表されたCundallとStrackによる離散要素法(Discrete Element Method,以後DEM)は,しばらく時をおいて1980年代後半頃から徐々に粉体工学の分野に波及し始めた。1990年代になってDEMの粉体工学分野への応用が多数なされ,粉体挙動を予測するためのDEMの有効性が認識されるようになった。その後,2000年代から2010年代における計算機の発達と汎用ソフトの開発と普及により,産業分野においても粉体の数値シミュレーションが幅広く行われるようになって来た。著者は,1980年代から固気二相流の離散粒子モデリングと高濃度固気二相流の数値解析のためのDEM-CFDモデルの開発などに携わってきた。本稿では,著者等が行った離散粒子モデルおよびシミュレーションの開発について紹介する。