2024 年 67 巻 p. 3-12
微粒子・ナノ粒子の分子からナノレベルの階層的な界面構造と相互作用の関係を独自の手法を開発しながら評価・解析し,粒子間相互作用の設計法の確立を試みてきた。様々な分野で,微粒子・ナノ粒子を各種素材等に応用する際に重要な障害となる付着・凝集現象の制御法を,様々な粒子材質,大きさなど粒子側の条件と溶媒等との組合せを対象とした液中での粒子分散,集合状態制御のための界面設計法をナノとサブミクロン粒子を対象に概観する。さらに,主にエネルギー・環境システムを対象とした高温の気中場での微粒子付着性増加現象を対象に,独自に開発した様々な付着性評価,解析装置と純物質粒子を基材にして付着性増加因子予測成分を添加,熱処理したモデル灰粒子を用いた手法で増加機構を解明し,ナノ界面構造等の設計による付着性制御に取り組んだ研究を紹介する。