2026 年 69 巻 p. 3-13
気相中での粒子製造は,その粒子生成機構(微小液滴からの粒子生成,急冷に基づく非平衡状態下での粒子生成など)に起因し,特異的な微粒子の生成(連結ナノ粒子,球状粒子,非晶質粒子,コアシェル化,多孔質化,中空化,異種材料複合化)が可能となる。本稿では,まず供給される原料形態(ガス,液(液滴),固体(粉体))ごとに分類した気相粒子の生成機構とそれに基づく生成粒子の特徴を述べたあと,当研究室で実施してきた噴霧法(火炎噴霧法,噴霧乾燥法)を用いた機能性ナノ粒子の気中構造化,構造制御,特徴,そして,エネルギー,環境,ライフサイエンス分野への利用を目指した各種検討結果のご紹介,そしてこの粒子開発アプローチを促進するための課題について述べる。