2026 年 69 巻 p. 14-21
微粒子を液中へ高濃度に懸濁させたスラリーは,エネルギー,環境,触媒,医薬などの多岐にわたる材料創成プロセスで活用されている。液中における微粒子の分散と集合状態の制御は,これらの部材を製造するプロセスにおけるスラリーのハンドリング性や,最終的に得られる部材の機能発現に向けて重要な鍵である。本稿では,ポリエチレンイミンと各種の脂肪酸やアニオン性界面活性剤を混合することで得られる会合体を,機能性高分子分散剤として微粒子の液中における分散と集合構造制御に活用した事例を紹介する。さらに,セラミックス部材のプロセッシングを対象として,機能性高分子分散剤を用いた微粒子の分散と集合構造制御法に基づいた,部材の微構造制御や三次元造形技術への展開事例を紹介する。