ミルクサイエンス
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原著論文
カザフスタン共和国のラクダ乳酒(Shubat)の性質
石井 智美Sabyr Nurtazin
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2014 年 63 巻 2 号 p. 55-62

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抄録

 カザフスタンではヒトコブラクダとフタコブラクダが飼われ,その乳を加熱せずに発酵させ shubat をつくってきた。製法はアフリカ諸国の qaris, garris と同じだった。5 つの試料は全てヒトコブラクダの乳が用いられ,乳酸菌数は4.9×107/ml から7.2×108/ml,酵母菌数は1.5×106/ml から3.9×107/ml,pH は3.8~4.1,エタノール含量は0.6~2.8%だった。一般成分分析値に差はなく微量成分は亜鉛が多かった。遊離アミノ酸量は試料 No. 4 でアラニンが7.8 mg/100 ml,プロリンが12.3 mg/100 ml と多かった。分離した65菌株の乳酸菌を,Lactobacillus plantarum, L. paracasei subsp. paracasei, L. casei, L.helveticus, Lactococcus lactis と同定した。Shubat の飲用が「健康に良い」と再評価が起きていた。

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© 2014 日本酪農科学会
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