2025 年 74 巻 2 号 p. 33-43
酪農家飼養条件と牛乳の理化学成分,官能評価特性との関連を明らかにすることを目的として,異なる飼養条件下で生産された酪農家のバルク乳を用いて官能評価試験を実施した。飼養条件が異なる酪農家24戸を対象に調査を実施し,バルク乳を採取した。バルク乳はHTST殺菌し一般消費者をパネルとした官能評価試験に供し,香り(強弱,良悪),甘味(強弱),コク(強弱),後味(強弱,良悪)の各官能評価特性と総合評価(好き嫌い)を評価した。各牛乳サンプルは,乳成分(一般乳成分,脂肪酸組成,ビタミンおよびカロテノイド含量),味認識装置反応値および香気成分などの理化学成分を分析した。酪農家の飼料構成,各理化学成分および各官能評価特性間の関係をOrthogonal PLS回帰により解析した。酪農家の飼料構成で一般乳成分や脂肪酸組成などの乳成分はほぼ説明可能であったが,味認識装置反応値や香気成分との関係は弱かった。上記の理化学成分と各官能評価特性との関連は弱く,味認識装置反応値は香りおよび後味(良悪),香気成分はほとんどの官能評価特性と関連が強かった。総合評価は各官能評価特性でほぼ説明可能であり,特に香りと後味(良悪)との関連が非常に強かった。