2021 年 39 巻 1 号 p. 3-7
日本医学放射線学会はCOVID-19感染症の流行に対して,早期に放射線診療についての提言を行い,胸部CT検査の指針を出すことで,臨床の現場でCOVID-19肺炎の画像診断が適切に機能するような体制を整えた.また,それに先駆けて,ウイルス性肺炎画像診断サーベイランスを実施し,画像診断を利用したCOVID-19肺炎の国内での発生を検出する取り組みを行った.特に,発生初期のPCR検査体制が不十分な時期において,その情報は重要であったと認識されていた.日本国内で感染の広がりが確認された4月には画像診断AIを国立情報学研究所と共同開発するために,日本医用画像データベースを用いたCOVID-19肺炎のCT画像収集と教師データ作成を行い,そのデータを国立情報学研究所のクラウド基盤と共有した.そして開発されたAIの実証研究に向けて取り組んでいる.