Medical Imaging Technology
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39 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
特集/医療画像ビッグデータクラウド基盤を活用した医療系学会・大学間連携によるCOVID-19肺炎画像診断支援AI開発
  • 村尾 晃平
    2021 年 39 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2021/01/25
    公開日: 2021/02/20
    ジャーナル フリー
  • 明石 敏昭, 待鳥 詔洋, 青木 茂樹
    2021 年 39 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2021/01/25
    公開日: 2021/02/20
    ジャーナル フリー

    日本医学放射線学会はCOVID-19感染症の流行に対して,早期に放射線診療についての提言を行い,胸部CT検査の指針を出すことで,臨床の現場でCOVID-19肺炎の画像診断が適切に機能するような体制を整えた.また,それに先駆けて,ウイルス性肺炎画像診断サーベイランスを実施し,画像診断を利用したCOVID-19肺炎の国内での発生を検出する取り組みを行った.特に,発生初期のPCR検査体制が不十分な時期において,その情報は重要であったと認識されていた.日本国内で感染の広がりが確認された4月には画像診断AIを国立情報学研究所と共同開発するために,日本医用画像データベースを用いたCOVID-19肺炎のCT画像収集と教師データ作成を行い,そのデータを国立情報学研究所のクラウド基盤と共有した.そして開発されたAIの実証研究に向けて取り組んでいる.

  • 大竹 義人, 村尾 晃平, 二宮 洋一郎, 合田 憲人, 佐藤 真一
    2021 年 39 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2021/01/25
    公開日: 2021/02/20
    ジャーナル フリー

    国立情報学研究所では,学術情報ネットワークSINET5でアクセス可能なクラウド基盤を構築し,そのクラウド基盤に医学系の6学会から順次画像データを受け入れ,AI画像解析の技術開発を行ってきた.放射線画像については,日本医学放射線学会が運用している日本医用画像データベース(J-MID)からCT画像を悉皆的に受け入れてきた.2020年10月までに1.8億枚以上の画像を受け入れてきた.一方,2019年末ごろに発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例の中には,COVID-19特有の肺炎を示すCT画像が存在する.そこで,日本医学放射線学会から追加の付随情報を得てAI画像解析を始めている.この解析には複数の大学が参加しており,共通のデータを使うことが重要になる.そこで,膨大なデータの中から解析の対象となるデータを抽出し,解析研究者から生成された情報を共有する仕組みを作った.

  • 小田 昌宏, 鄭 通, 林 雄一郎, 森 健策
    2021 年 39 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 2021/01/25
    公開日: 2021/02/20
    ジャーナル フリー

    本稿では,名古屋大学におけるCT像からのCOVID-19診断支援AI開発に対する取り組みを紹介する.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急速に世界に広まり,多くの感染者と死亡者を生じている.このように多数の患者を迅速に診断する必要がある状況では,AIによる診断支援が有効と考える.われわれは患者のCT像から画像所見に基づくCOVID-19典型度を自動判別するAI開発を行った.AIによる自動判別に必要となる3つの要素技術として肺野セグメンテーション,肺野領域クラスタリング,COVID-19典型度推定を開発し,CT像からの自動判別AIの処理フロー全体を構築した.本AIを開発する上で,多数の医療機関で撮影された膨大な画像を格納した医療画像ビッグデータクラウド基盤を活用し,実際のCOVID-19患者のCT像に対して高い精度での自動判別が可能であることを確認した.

  • 加藤 聡太, 堀田 一弘
    2021 年 39 巻 1 号 p. 20-26
    発行日: 2021/01/25
    公開日: 2021/02/20
    ジャーナル フリー

    本稿では,CT画像から距離学習を用いて,COVID-19による肺炎か否かを判定する方法を提案する.現在,COVID-19の検査にはPCRが用いられているが,識別精度が低いという問題点がある.一方,深層学習を用いて画像から病気を自動診断する研究も進められており,COVID-19の診断においても有効であると考えられる.そこで本研究では深層学習を用いたCOVID-19症例の自動識別法の確立を目的とする.提案手法では,近年画像認識分野で注目を集めている距離学習を応用させた方法により,CT画像からCOVID-19による肺炎かそれ以外の疾患かの二値分類を行う.5回の交差検証による実験の結果,識別精度80%を達成することができた.

  • 本谷 秀堅, 古賀 諒一, 横田 達也
    2021 年 39 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 2021/01/25
    公開日: 2021/02/20
    ジャーナル フリー

    胸部X線CT画像に基づき,COVID-19の陽性/陰性を識別する機械の構築について報告する.入力されたCT画像のすべてのスライス画像を同一のエンコーダーに入力し,その最大値に基づきCOVID-19の陽性/陰性を識別する.本稿では(1)エンコーダーの違い,(2)肺野領域のセグメンテーションの有無,(3)多量の陰性データの追加の有無の違いのそれぞれが識別性能に与える影響を評価した結果を報告する.特に陰性データは,陽性データと比べて圧倒的に多数が収集されているにもかかわらず,そのデータを単純に学習データに追加すると陽性と陰性のデータ数が著しく不均衡になり,識別器の学習に支障をきたす.そこで,データ数の不均衡をマージンに基づいて補正する手法を導入しつつ陰性データを活用することにより,識別性能の改善を図る.本稿では識別データ数の不均衡への対処法の概略を解説し,実験結果を報告する.

研究論文
日本医用画像工学会
編集後記
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