Medical Imaging Technology
Online ISSN : 2185-3193
Print ISSN : 0288-450X
ISSN-L : 0288-450X
功績賞受賞記念論文
超音波エラストグラフィーの開発
椎名 毅三竹 毅
著者情報
ジャーナル 認証あり

2022 年 40 巻 3 号 p. 133-138

詳細
抄録

がん腫瘍,動脈硬化,肝硬変など組織病変を伴う多くの疾患において,その初期段階から組織の硬さ(弾性)が変化することから,従来のCT,MRI,超音波などの医用画像による組織の形態や血流などの機能情報に加え,組織弾性の分布が可視化できれば,早期診断や良悪性の鑑別診断や化学療法などの治療効果の判定に有効であることが期待されていた.その臨床ニーズに応えるため,われわれは産学官連携での超音波エラストグラフィーの研究開発を推進し,2003年に世界初の臨床用装置としての実用化を達成した.また,新技術の臨床現場への普及のため診断ガイドラインの整備が進められた結果,現在では,超音波装置の多くにエラストグラフィー機能が搭載され,乳がん,慢性肝炎などへの新たな画像診断法として臨床の場で広く活用されている.

著者関連情報
© 2022 日本医用画像工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top