2022 年 40 巻 3 号 p. 139-143
本稿では,日本医用画像工学会功績賞の受賞対象となった「人工知能を用いた内視鏡診断支援システムの開発」について紹介したい.このシステムは,大腸内視鏡を対象として,内視鏡画像からポリープを検出し,その類型判断などを行うものである.ここでは,(1)大腸内視鏡ビデオ画像における大腸ポリープ発見支援,(2)発見された大腸ポリープの腫瘍性であるか否かの分類,(3)腫瘍性であると判断されたポリープの詳細な分類,といった機能が実装されている.特に,超拡大大腸内視鏡画像を用いて大腸ポリープを腫瘍性か非腫瘍性に分類するシステム「EndoBrain」は,機械学習 / 人工知能(ML/AI)技術を本格的に用いた医療機器として,医機法に基づく承認を取得したわが国初のAI内視鏡として知られるに至った.本稿では,受賞対象となった大腸内視鏡診断支援装置の概要について述べ,今後の展望について示したい.