2023 年 41 巻 3 号 p. 106-111
慢性肝疾患患者が世界的に増加する中,超音波で非侵襲的に肝硬度を測定する剪断波エラストグラフィが広く臨床で施行されている.一方で装置間の測定値のばらつきにより,装置ごとに異なる診断基準が報告されていたり,検者間の測定のばらつきやMR エラストグラフィとの硬度の差異が経験され,臨床的に診断に使用する際の混乱もみられる.画像バイオマーカー標準化委員会であるJapan-QIBA の検討において,粘弾性ファントムを測定した場合の装置間のばらつきは,コンベックスプローブを用いた場合95%信頼域で11%であり,またMR エラストグラフィとは測定や解析に用いられる周波数帯域の違いにより硬度の差異が生じると考えられた.QIBA では脂肪肝の診断に用いられる減衰イメージングの標準化も検討されており,今後超音波バイオマーカーの標準化により,慢性肝疾患に対する超音波診断の精度向上が期待される.