2023 年 41 巻 3 号 p. 112-116
陽電子放出断層撮影(PET)は生体構成元素を放射性薬剤として使用できるため,生体の生理学的状態を画像化できる唯一無二の特徴を有している.PET 装置が開発された1980 年代当初からPET による臨床研究が行われ,現在では分子イメージング技術として創薬研究にも応用されている.しかしながら,PET は装置,撮像方法,画像処理条件のみならず,被験者の体重や安静状態などによって,画質や定量性が大きく異なる.このため,学会主導でPET イメージングの標準化が推進されてきた.本稿では,わが国におけるPET イメージングの標準化の歩みを概説し,欧米の動向についても紹介する.