2025 年 43 巻 5 号 p. 154-163
本サーベイは,X線CTにおけるスペクトラルシェイピング(Sn/Ag付加フィルター)技術の適応領域と線量・画質への影響を俯瞰したものである.胸部,副鼻腔,骨・関節,interventional radiology(IVR),localizer radiograph,および小児における線量低減と画質への影響を総括した.多くの研究で出力線量および実効線量の大幅な低減(おおむね20~90%)と診断能の維持が示された.一方,一部の組織コントラストの低下,適用可能な管電圧の制約,体格・装置依存性が課題である.Sn/Agの付加により実効エネルギーはおおむね20~30%上昇する.総じて,スペクトラルシェイピングは非造影高コントラストタスクや反復スキャンが想定される状況(小児・IVRなど)で有用な選択肢である.