抄録
本論文は,サービス業での品質コストマネジメントの研究実態を明らかにし,今後の研究機会を示すことを目的としている。そのため,サービス業における品質コストマネジメントに関する既存の研究を網羅的に分析するために,システマティック・レビューを実施した。このレビューから得られた結果は以下の3点に集約される。まず第1に,サービス業の様々な事業分野で品質コストに関する研究が行われており,一定数の論文が発表されているものの,その数は製造業に比べて少ない。第2に,研究の多くは,品質コストの要素間の関係やその効果,他の管理手法との統合を定量的に実証するものである。第3に,サービス業全体を広範にカバーする品質コストの研究はほとんど見られないという点である。レビューによって示唆された今後の研究機会は以下の3点である。第1に,サービス業の各事業分野でのさらなる研究の必要性である。第2に,サービス業に関する定量的な品質コストの実証研究の必要性である。そして第3に,サービス業全体を広範にカバーする品質コストの研究の必要性となる。