マテリアルライフ学会誌
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表面に酸化チタンを担持したポリ塩化ビニルシートの耐候性試験に関する研究
柳沢 琳江小川 晃旦一之瀬 秀史福田 哲夫
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2008 年 20 巻 2 号 p. 70-76

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抄録

塩ビシートの耐候性に及ぼす光触媒酸化チタンの影響を自然暴露と人工暴露により検討し,次の結論を得た.全光線透過率(Tt)は,自然暴露系および人工暴露系とも担持試料の方が未担持試料より大きくなった.平行光線透過率(Tp)は,自然暴露系では担持試料の方が大きく,人工暴露系では未担持試料の方が大きかった. 拡散光線透過率(Td)とHaze値は,自然暴露系では未担持試料の方が大きく,人工暴露系では担持試料の方が大きかった.このような自然暴露系と人工暴露系での逆の結果は,自然暴露と人工暴露で,光照射環境や水分補給条件などの実験条件が異なることが原因と考えられる.以上のように,塩ビシートに,光触媒の酸化チタンを担持することにより全光線透過率(Tt)の増加が生じ,その結果,塩ビシートの耐候性が向上し,耐用年数が長くなることが明らかになった.

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© 2008 マテリアルライフ学会
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