マテリアルライフ学会誌
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シロップ成分と熱可塑性樹脂との接触 : 樹脂の力学的特性とシロップの異臭味への影響
山本 哲也浜崎 卓也数馬 安男稲垣 穣
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2016 年 28 巻 3 号 p. 51-61

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抄録

カップ式自動販売機やディスペンサーで使用されているバルブやノズルなど機能部品の耐久性評価として,それらの部品に使用されている3種類の熱可塑性樹脂(LLDPE,POMおよび PA612)を成分組成(クエン酸,アスコルビン酸,エタノール,ショ糖,リモネン)が異なる種々のシロップに浸漬し,樹脂の物理的特性やシロップの異臭味の変化を調べた.シロップが,樹脂の物理特性(引張強度,伸び,弾性率など)に影響し,同時に,樹脂がシロップの味に影響することがわかった.LLDPEでは,リモネンを含むシロップに浸けると樹脂の膨潤と引張強度の低下が顕著に見られた.PA612では,膨潤および,引張強度,伸び,弾性率などの物理的特性に大きな変化が見られた.POMでは,エタノールによる膨潤と弾性率の低下が見られ,さらに,エタノールとクエン酸両方を含むシロップに浸漬した場合にシロップの味がかなり変化した.本研究により,部品の耐久性や飲料の品質を確保するためには,シロップの成分に応じた樹脂を選択することが重要であることが示された.

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