2023 年 35 巻 2 号 p. 48-58
昨今,カーボンニュートラル実現に向けた,サーキュラー・エコノミーの構築が急務である.本稿では,単なる資源循環のためのリサイクルではなく,循環経済のためのリサイクルとはどういうものかを述べる.最初に,プラスチックリサイクルをめぐる世界の状況と日本の状況を概説したのち,プラスチック関連企業に対して行ったリサイクルに関する意識調査結果を示す.調査結果によると,多くの企業が社会動向を踏まえた対応と同時に,製品の価値向上を理由にリサイクルを進めようとしていることが分かった.その一方で,リサイクルの実現に課題や障壁があるとの回答が80%に上り,今後期待される技術としてリサイクル材の評価方法や品質管理方法が挙げられた.このことから,持続可能なリサイクルシステムを実現するためには,材料評価技術とトレーサビリティーが重要な基盤となることがわかる.最後に,ビジネス戦略として理想的なリサイクルのためには,「コトづくり」によるバリューチェーン全体の価値の向上も重要であることを述べる.