抄録
ポリ乳酸 (PLA) に天然産業副産物の各ふすま (Bran) を20wt%混合した射出成形物を作製し, 金沢とつくばの2ヵ所にて土壌埋設試験を行った.ふすまを含んだ試験片は変色し表面に亀裂が生じ分解が著しく促進され, 力学的性質が低下するとともに, 含有するPLAの分子量も低下した.また, 土壌試験後の土壌中の微生物数及びふすま混合試験片に繁殖した微生物数を測定した結果, 土壌よりもふすまを混合した試験片の微生物数が100~10000倍であった.このように土壌中の微生物がふすまを資化して増殖し, 試験片の崩壊が促進されることが明らかとなった.しかし, 埋設場所による違いは基本的に見られなかった.