現在のきのこ生産用加湿装置は,湿度管理に効果を発揮するものの生産現場からは更なるメンテナンスの簡素化や噴霧量の増加などの要望が多く寄せられている.そこで本研究では,水道管直結型きのこ栽培用新規超微細霧発生装置(e-mush)を研究開発し,各種きのこ類の生産現場レベルでの性能評価試験を実施した.その結果,霧粒径は2-10μmの超微粒子であり,栽培施設内をぬらさずに加湿し,優れた温度,湿度条件の維持能力が実証された.菌床栽培におけるきのこ収量を従来品設置区と比較した結果,エリンギ,ヒラタケ,エノキタケにおいて収量の増加傾向および子実体形質の向上が確認された.また,堆肥栽培のヒメマツタケにおいても従来品設置区と比較し,収量および子実体発生本数の増加が確認された.