ナメコは日本国内で一般的な食用きのこであるが,その食品機能性に関する報告例は少ない.本報告では,ナメコの食品機能性を明らかにする目的で,空調栽培して収穫した子実体のラジカル消去能を測定した.ナメコ3品種(福島N1号,福島N2号,KX008号)を,米ヌカ,フスマ,及び双方を添加した3種類の培地で空調栽培し,発生した子実体をつぼみ及びひらき段階で収穫した.収穫は2回行い,得られた子実体から80%エタノール抽出液を調製し,それらのDPPHラジカル消去能を測定した.その結果,いずれの品種及び培地においても,つぼみ子実体よりひらき子実体が高いDPPHラジカル消去能を示した.また,福島N1号のDPPHラジカル消去能は福島N2号及びKX008号に比べて高く,特に米ヌカを栄養材としたとき最も高かった.これらの結果から,ナメコ子実体のDPPHラジカル消去能は収穫時期,品種,培地組成によって差が生じることが示唆された.
抄録全体を表示