ショウロは海岸砂地に生息する外生菌根菌であり,耐塩性を有する菌種であることが知られている.本研究では,単胞子分離菌株の耐塩性の種内変異を調査し,耐塩性菌株を選抜した.そして,それらの交雑により育成した交雑菌株の耐塩性を評価した.NaClを含有させた貧栄養MMN寒天培地に,上記菌株を接種し,16日間培養後,菌糸体の直径成長量を計測した.その結果,単胞子分離菌株の耐塩性は種内変異に富むことが明らかとなり,また,好塩性菌株も確認された.さらに,種内変異は交雑菌株においても確認され,胞子採取に供試した元株よりも耐塩性の高い交雑菌株を作出することができた.これらの結果より,交雑技術を用いることで耐塩性交雑菌株を作出できることが示唆された.