抄録
原木シイタケ栽培は放射能汚染地域においても継続されているが,これらの地域内の原木林を伐採して使用する際は,立木3本の放射性Cs濃度を測定して適否判定を行っている.この判定で使用可とした原木を用いた生産ロットでは工程管理の検査で放射性Cs濃度が高いほだ木及び子実体が発生することがある.そこで,これらの生産ロットを対象に汚染形態を調査した結果,指標値を超過するほだ木が含まれていた.施設栽培で管理されるほだ木が指標値を超過するような追加的な汚染を受けるとは考えにくく,これらのほだ木はすでに原木時に高濃度であったと考えられた.抜き取りによる使用適否判定時の検査では,分析結果より濃度の高い原木が一部に含まれることを考慮する必要があると考えられた.また,ほだ木からシイタケ子実体への放射性Csの移行係数は2.0とされているが,継続調査が必要と考えられた.