抄録
本稿では,消費者を対象に行ったアンケート調査の結果を用いて,きのこの機能性に対する消費者の期待や期待に影響を与える要因等を明らかにした.その結果,一定割合の回答者がきのこの機能性に対して期待を示すとともに,性別・年代別の傾向もみてとれた.きのこの機能性に期待する理由としては,自分自身や家族・知人の健康維持や病気予防が多数を占めた.また,共分散構造分析による分析からは,きのこ嗜好や機能性農産物・食品嗜好が高いほど,きのこの機能性への期待が高まる傾向がみてとれた.今後は,きのこの機能性に期待する消費者像についてのさらなる分析の深化や,消費者に対してきのこの機能性を訴求する際の効果的な方法の検討等を行うことが重要といえる.