抄録
タケチップを用いた菌床におけるマンネンタケおよびG. sinenseの栽培試験を実施し,評価を行った.その結果,マンネンタケおよびG. sinenseの両方で,培地基材のおが粉を10%,20%,30%,40%および50%タケチップに置換した菌床において菌糸蔓延が完了するまでに必要な日数が,子実体収量に影響を与えることなく,それぞれ短縮された.一方,100%をタケチップに置換した菌床においては,マンネンタケおよびG. sinenseの両方で,菌床の菌糸蔓延に必要な日数が短縮されないばかりか,大きな子実体収量の減少が観察された.これらのことから,10 - 50%の範囲内でおが粉をタケチップに代替した菌床は,子実体収量に影響を与えずに,菌床の培養期間を短縮させることが示唆された.