抄録
新たな地域資源としてヤナギを活用した菌床栽培,機能性としてGABAに着目した食品素材製造に関する技術開発を行い,以下の成果を得た。
1. シイタケ菌床栽培における広葉樹おが粉の供給源として,バイオマス生産性の高い早生樹のオノエヤナギやエゾノキヌヤナギに着目し,ヤナギおが粉の利用可能性を検討し有用な結果が得られた。
2. シイタケの増収効果に関与する成分が樹皮に局在している可能性,ヤナギ由来の水溶性成分が寄与することを明らかにした.
3. 一般消費者を対象としたシイタケの嗜好性試験を行うことにより,ヤナギ培地による嗜好性向上の可能性を示すことができた.
4. きのこには機能性アミノ酸であるGABAが含まれ,生産量の多いシイタケやエノキタケのGABA生産能が高いことを見出した.GABA生成反応の条件検討を行いながら,きのこを活用したGABA富化素材の開発を進めた.
5. エノキタケやシイタケは,積極的な加温をせずにGABA生成反応が可能であることを明らかにし,GABA富化素材製造の検証を行い,各種形状の素材に対応した製造プロセスを提案した.