抄録
ショウロは宿主クロマツと共生している外生菌根菌である.これまで,外生菌根菌の菌糸体における細菌共生に関する研究がAmanita, Laccaria およびLyophyllumにおいて報告されているが,ショウロ菌糸体においては報告されていないのが現状である.そこで,本研究ではショウロの継代培養菌糸体から細菌を分離し,同定することを目的とした.Luria Bertani培地を用いて,ショウロ菌糸体から細菌分離を試みたところ,3細菌系統,MBRr6a, MBRr6b, およびMBRrH9,がショウロの2菌株系統より分離でき,1菌株系統からは分離できなかった.ショウロ菌糸をSYTO染色で処理したところ,生細菌を示す緑色のスポットが検出できたが,抗生物質を処理した菌糸ではその緑色のスポットは認められなかった.分離した細菌の分子系統解析をした結果,MBRr6aはBacillus tequilensis, MBRr6b, およびMBRrH9は,B. subtilisと同定された.本研究は外生菌根菌ショウロ菌糸体が2種の細菌系統を保有していることを明らかにした初めての報告である.